- このトピックには31件の返信、1人の参加者があり、最後にMasahiko Niwa/丹羽雅彦により20時間、 54分前に更新されました。
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岡田ゲスト
丹羽さん
以前からお世話になっております。いつもPixInsightの使い方[基本編]を読み返しながら処理をすすめておりますが、大変助かっております。御礼申し上げます。
早速本題に入らせていただきます。タイトルのとおりの現象で悩んでいるのですが、SPCCを実行しますと全体的に赤色が強調される感じで、画像処理の過程において色合わせをせず(できず)にリニアフェーズに入ることが多々あります。初心者のため、やっている工程を列挙します。
①WBPP
②DBEまたはABEで背景処理
③BXT(Correct only) ※やったりやらなかったりです
④Image Solver
⑤SPCC
このような流れでSPCCに至ります。
Gaiaデータは1~20を外付けディスクに保存して、登録も完了、SPCCの実行画面ではDR3/SPを読みに行っています。PIもエラーなしでSPCCを終了できます。④のImageSolverにおいても対象天体を選択して、こちらも正常に終了しています。
添付の画像は背景処理は完全ではありませんが(素人ゆえお許しください)、SPCC前後であまりにも大きく異なっており、SPCC前の画像の方が正しい色のような気がしてなりません。
状況は下記画像のとおりです。
SPCC実行前
SPCC実行後【R/Gの相関に問題があるように見えます】
SPCC実行前
SPCC実行後
このような状況です。上記のM33はまだマシな時の画面で、ひどいときには背景も銀河も赤色に転んでしまいます。
SPCC終了後にはSTFで鎖マークを押して、その後に黄色と黒模様のボタンを押してSPCCの結果を反映するようにしています。
WBPPの過程においても特に変わったことはしていません。X1 Drizzleの有無に関わらず結果は一緒です。またSPCC前のBXTの実行の有無においても、やはり結果は一緒で赤くなります。PCCでもおなじように赤くなります。
【PCCでPreview指定してRegion of InterestでPCCを実行した画面】
初心者ゆえにわかりにくい説明となってしまったかも知れません。申し訳ございません。
なんとか解決したいと切望しております。お力をお貸しいただければ幸いです。
岡田
Masahiko Niwa/丹羽雅彦キーマスター岡田さん
確かに正しく色合わせができていないようですね。フィルターは何か使っていますか?
岡田ゲスト丹羽さん
早速のご返信ありがとうございます。
フィルターは色合わせをしやすいようにと、ブロードバンド系のSIGHTRON LPR-Nを使っています。
Masahiko Niwa/丹羽雅彦キーマスター私はLPR-Nを使ったことがないのですが、おそらくフィルターが原因かと思います。
光害カットフィルターは特定の波長をカットします。星雲は輝線の波長が決まっているので問題ありませんが、星は連続光なので影響をうけます。SPCCは星の光を頼りにカラーバランスを整えますので、影響が出たのかと思います。
LPR-Nの特性グラフを見ると、青〜緑に比べて黄色〜赤の領域を多くカットしていそなので、それを補完して赤に転んだのなと推察します。
可能でしたらフィルターを使っていない画像でSPCCを試していただけないでしょうか。
また、だいこもんさんが、SPCC用のフィルターデータを作成する手順を公開されています。ただ、ちょっと専門性が高く、残念ながら私は試せておりません。
岡田ゲスト丹羽さん
フィルターが原因の可能性があるのですね。すぐには撮影に行けないのですが、次回はフィルター無しかUV-IRなどで試してみようと思います。
それと、探せばSV220で撮影したデータがあると思います。だいこもんさんのデータにもsv220があるようですので、それを適用して試してみます。
新規のデータ作成、確かに難しそうで積極的にはなれません(笑)
この度は大変お世話になりました。
時間は掛かりますが、結果は忘れずにご報告いたします。
重ね重ね御礼申し上げます。
岡田
Masahiko Niwa/丹羽雅彦キーマスター岡田さん
ありがとうございます。おそらくフィルターだと思うのですが、他に情報があればここに書きますね。
また上の例ですとM33はCCを使って色合わせすればうまく行きそうです。
また馬頭星雲はSTFの状態でも色があっていそうですね。
だいこもんにも意見をきいてみます。
丹羽
だいこもんゲスト岡田さん
サイトロンのLPR-Nフィルターのデータは確かになかったですね。作って追加してみますので、ぜひLPR-Nで撮影した画像にSPCCを適用してみてください。このような光害カットフィルターで撮影したデータにSPCCを適用するとどのようになるのか私も興味があります。
少々お待ちください
だいこもんゲストsightron LPR-Nフィルターのデータを加えておきました。丹羽さんが紹介してくださった私のブログのgoogleDriveのリンクから落とせるようになっています。
データを落とした後はFilterManegerをつかって、フィルターの透過率とお使いのカメラの感度の掛け算をしたデータを作成する必要があって、ちょっと面倒ですが、そのあたりもブログの3節以降に説明してましたので、試してみてください
岡田ゲスト丹羽さん、だいこもんさん
本当にありがたいです!
早速試したいとうずうずしておりますが、今日はこれから仕事に出ますので、明日の午後以降にやってみます。結果はまたここでご報告申し上げます。
深謝申し上げます。
岡田
岡田ゲスト丹羽さん、だいこもんさん
お世話になっております。
作っていただいたファイルからRGBの各フィルターとマージして、PIに取り込んでみました。
RGBの各フィルターは、Sony Color Sensor R/G/Bの波形とsv605CCのフィルターが酷似していましたので、これらを適用です。
結果なのですが、残念ながら赤いままでした。
量子効率の二度掛けをしていたことに気づき、
これは別の要素が絡んでいそうです。
R/Gが散らばっているのがとても気になります。
岡田
蒼月城ゲストみなさま
いつものようにまたちょっと議論に出遅れてしまいましたけれども(苦笑)、今更ですが本件質問を興味深く拝見しました。
ただ、岡田さんの画像のSPCC結果を云々する前に、何らかのフィルターをつけて撮影した画像をSPCCで調整するときに、多くの方が勘違いしていることがあるように思えるので一言申し上げておきたいのですが、多くの方はSPCCのフィルターやQE曲線の設定を、
(だいこもんさんが紹介している手法で)
実際に使用したフィルターの透過曲線やセンサのQE曲線通りに設定すれば
いわゆる「ブロードバンド撮影」したときのような見慣れた色合いになると思っていませんでしょうか。
極端な話、「SHOのナローバンド撮影をしても、SPCCでそれに合わせた設定をして適用すればブロードバンド撮影したときみたいな色合いになる」と思っていませんでしょうか。それは大きな勘違いです。
フィルターやQE曲線の設定を実際の器具の仕様通りに設定したとしても、ブロードバンド撮影したときのような色合いには決してなりません。一部の波長の光がカットされるようなフィルターを通してみるわけですから、色合いは当然変わります。正しい色合い(正しい色合わせ)は、フィルターによって違うのです。
たとえブロードバンドで見慣れた色あいにならなくても、だからと言って、それだけで「正しく色合わせできていない」ということにはなりません。岡田さんが最初の投稿でポストしてくださった M33 や馬頭星雲付近の画像で言えば、「SPCC実行前の方が正しい色合いで、実行後が間違った色合いだ」ということにはならないのです。実はあの実行後の色合いこそ、「LPR-Nフィルターで撮った画像を正しく色合わせした結果」かもしれないということです。そして、SPCCのフィルターやQE曲線の設定は、実際の器具と違うものを選択したとしても、出力結果はそれほど大きく変わらないことがほとんどです。ですから、あまり神経質に設定を気にする必要は実はありません。(もちろん、まったく無頓着で良いというわけでもありませんけどね。)
まずは以上のことについて正しく認識しましょう。
そのうえで、ですが・・・、そうは言っても岡田さんの M33 の画像について気になることがないわけではないので、2点ほど確認させてください。
① バックグラウンドはニュートラルになっているか
SPCCの BackgroundNeutralization の設定がグラフで隠れちゃったりしてハッキリしないのですが、バックグラウンドが本当にニュートラルになっているのかどうか、ちょっと気になります。M33 の画像の中で「この辺はバックグラウンドだろう」という領域を preview で囲んで、それを SPCCに設定したうえで SPCCを適用してみていただけませんか。囲む領域に星が多少入っても構いません。
② R/G のグラフの各点のバラつきが大きい
岡田さんも指摘しておられる通り、ちょっとバラつきが大きいように思え、したがって R:G の white balance factor がやや信用できません。もしかしたら SPCC の前に BXT を適用していることが関係しているかもしれません。もっとも、最新の BXT(correct only) はあまりこの辺に影響しないはずなので関係ないかもしれませんが、念のため、ImageSolver → SPCC → BXT の順番で適用してみていただけませんでしょうか。
Masahiko Niwa/丹羽雅彦キーマスター蒼月さん
コメントありがとうございます。まずはご指摘いただいた①、②をまちますね。
LPR-Nは緑から赤の領域である530-630nmあたりをざっくり落とすので連続光である星が影響受ける可能性は高いかなと思っています。落とした分はそもそもデータとして無いので、確かにフィルター設定しても影響は残りそうですね。
ただSTFでみるとナチュラルカラーに近いので、うまく色合わせをするとナチュラルにはできそうです。もしうまくいかなかった場合、M33はSTFのデータでHTでストレッチした後にSCNRをかけるとうまくいく予感がしています。馬頭星雲の方は、もうSTFそのままでも十分良さそうですね。
私もRGB以外のとくにナローバンドについては、SPCCではなくて自分の感性で色あわせしています(笑)。
- この返信は1週、 4日前にMasahiko Niwa/丹羽雅彦が編集しました。
だいこもんゲスト蒼月さんのコメントを受けて、言われてみればと思ったのですが、自分もなんとなくでSPCCすれば我々が期待する「それらしい」天体写真になるような期待をしていました。
試しに、手元のLPS-D1という似た特性の光害カットフィルターを通して、太陽光の下で白い紙を見てみると、青緑色でした。BackgroundNeutralizationでこれを強制的にグレーにすることを考えると、青と緑を除くことになるのだから、赤くなるのが予想できます。
なので岡田さんの星雲が赤被りする結果は、SPCCの色合わせよりもBNの色合わせが強く効いた結果かもしれません
Masahiko Niwa/丹羽雅彦キーマスターだいこもんさん、
ありがとうございます。背景はそんなに青いのですね。
ただBackground Neutralizationは小さな値の足し引きなので、全体の色みが大きく変わることはないように予想します。こちらに書いたのですが、Background Neutralizationは選択した背景の領域の中央値を、引き算と足し算でそろえる動きをします(設定部分の中央値を全体から引いて、ゲタをはかせる)。背景輝度の値は小さいので、 色味がある程度は変わることは変わりますが全体に与える影響は少なそうです。
https://masahiko.me/background-neutralization-process/
- この返信は1週、 3日前にMasahiko Niwa/丹羽雅彦が編集しました。
- この返信は1週、 3日前にMasahiko Niwa/丹羽雅彦が編集しました。
- この返信は1週、 3日前にMasahiko Niwa/丹羽雅彦が編集しました。
蒼月城ゲストだいこもんさん
SPCCは white reference で指定したものが白くなるように R:G:B の増幅比率を変えます。つまり、LPS-D1を通して白い紙を見たときに白く見えなくても、その白い紙が白く見えるように調整することになるので、そこは問題ありません。ただ、データが無い波長域があるので、白以外の他の色が少し変わることになります。
私が言いたかったのは、「SPCCしたとしても、フィルターが違えば、見慣れた色合いからはどんどん外れていく」ということで、皆さんにはそういう認識を持ってもらいたかったんですね。SPCCに間違った期待をしてはいけない、ということです。
岡田さんの写真の場合、馬頭星雲に関しては、あれがLPR-Nフィルターで撮った写真をSPCCしたときの結果としてある程度正しいように思えます。ただ、M33に関しては、渦巻銀河の平均的な色を白とするように調整しているのにあれほど渦巻銀河が赤っぽくなるのは少しおかしいと言えばおかしいです。疑わしいのはやはり R:G の white balance factor だろうと思いますので、そこを改善できれば、もう少し違った色あいになるんじゃないかと思っています。それでも、一般的によく見るようなM33とはまた微妙に違う結果にはなるでしょう。
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