最初にお断りしなければいけないのは、これはPixInsightのDeconvolutionが進化した話ではなくて、私の処理がちょっとうまくいったという話です・・・と健康グッズのような言い訳をしなければいけないほどDeconvolutionは試行錯誤の連続。私のブログのDeconvolutionの紹介ページにアクセスいただく方がいらっしゃるのも、みなさま同じ悩みを抱えているのかなと思います。
ここでもうひとつ白状しなければいけないことがあります。解説しておきながら、わたくし、Deconvolutionを避けることも多いのです。それはこんなつぶつぶノイズが発生するから。
元画像はこちらです。
Deconvolutionをすることで暗い箇所につぶつぶが発生しています。この画像はIteration 50, Global darkが0.012です(わかりやすくするために、Star Mask、背景のMaskはかけていません)。Global darkを0.02まであげるとつぶつぶノイズが軽減されましたが、今度は星の周りにノイズがのってしまいました。
でないときは、まったくでないのに、一度出るととることができません。恐るべしつぶつぶ。そんなある日、ガチャガチャ触っていると嘘のようにノイズが取れたんです。
秘密はGlobal brightのちょいがけ
何が違ったのか調べてみると、うまくいった画像はGlobal brightを0から値を増やしていました。
このイメージは、Global brightを0.004だけかけています。
これまでGlobal brightを設定しないことがあったのは理由があります。ネットでたくさんの方のDeconvolutionの設定をみてみると「Deringing処理はDeconvoluitonの効果自体も減らすのでなるべく少ない値が良い」という意見が主でした。またGlobal brightは0のままの方が多いようです。そのため私も星の周りに白いリンギングが出たときだけGlobal brightを使っていたのです。撮影環境の違いが影響しているのかもしれません。もしかしたらCMOSモノクロカメラと、私のような一眼カメラのワンショットによるカラー撮影の違いもあるのかも。今後はあまり先入観にとらわれず、試そうと思います。
若干気になっているのは、Global brightをかけたこの画像、一周回って最初のDeconvolutionをやるまえの元画像とあまり変わらないかも・・・
Wavelet Regularizationって?
実は今回、つぶつぶを回避するのにDeconvolutionの一番下にあるWavelet Regularizationに期待していました。Wavelet Regularizationはノイズを削減する機能です。主に変更するパラメータは、Layer数の変更とNoise threshold、Noise reductionです。
Wavelet layers: レイヤー数設定。画像にある構造の大きさごとにレイヤー分けされ、個別にノイズ処理される。多くのノイズはLayer 1か2に存在する。
Noise threshold: 数字が大きいほど大きな構造にもノイズ削減処理
Noise reduction: ノイズ削減強度。1が最高。
ためしに下記のパラメーターで実施してみました。
こちらもつぶつぶは軽減しましたが、Global brightのちょいがけの方が効果は高いようです。ノイズ削減効果は高いので、他のノイズ削減のときに積極的に活用したいと思います。
まだ道半ばですが、Deconvolution新たにわかったことがあれば積極的に発信します。そして完璧にできたと思うやいなや、フルオートのDeconvoluitonがでてしまうことでしょう・・・ww。