田中さん
一つずつ回答しますね。
これは、中間レベル値から「5」σまで外れた値までサンプリングの対象になった結果、その対象となったピクセルがグレーで表示されたと思えば良いのでしょうか?
そうです!
サンプルの画像はバックグランドとして採用するピクセルを表示します。たとえば星に打点すると黒くなりますよね。それは星の部分はサンプルとして採用しないという意味です。逆に背景をクリックすると白くなるのはRGB全てでサンプルとして採用されるからです。Tolerance 0.5でカラフルなのは、採用されないRGBのピクセルが多いのでカラフルになっています。1.0で白っぽくなるのは採用が増えるからです。左にあるWr, Wg, Wbが採用されている率です。
かぶりの多い画像ではなるだけ採用してほしいので、Toleranceを大きくします。私は既定値として5.0を使い、必要に応じて大きくしています。5.0より小さくすることはないです。
サンプリングポイントと明るい星が重ならないようにすることでサンプルとなるピクセルを多くする方が良いと心得てサンプルイングポイントを微妙に動かすことはしていましたが、例えばサンプリングポイントに星雲が掛かってもこのToleranceによって、星雲の明るい部分だけがサンプルのピクセルから除外されると考えればいいのでしょうか?
サンプリングポイントと明るい星が重ならないようにすることでサンプルとなるピクセルを多くする方が良いと心得てサンプルイングポイントを微妙に動かすことはしていましたが、例えばサンプリングポイントに星雲が掛かってもこのToleranceによって、星雲の明るい部分だけがサンプルのピクセルから除外されると考えればいいのでしょうか?
私は今まで少しでも表現したい星雲などにサンプリングポイントが掛かっていたら、手動でサンプリングポイントを削除していましたが、そんなことはしなくてもいいのでしょうか?
Toleranceの値を大きくすることで、星雲のデータもサンプルに入ってしまうので、星雲にサンプルが入ると星雲のデータを引き去るリスクはあります。いままでされているように、なるだけバックグランドのところを探してピックするのが良いと思います。
それとも、サンプリングポイントの四角い面積の除外されなかったピクセル平均値か何かがバックグラウンド調整の基準値になるのでしょうか?
正確なロジックは公開されていませんが、サンプルの画像を評価して、それをもとにバックグランドモデルを作ります。DBEを実行するとバックグラウンドモデルができますよね。このデータを使ってCorrectionがSubstractionなら引き算、Divisionなら割り算の処理をします。
バックグラウンドモデルを見ていただくとわかるのですが、星雲のデータを細かく足し引きするわけではなく、なだらかなモデルが作られます。そのため星雲部分にサンプルがかかっていても、そこからザクっと星雲画像引かれるわかではなく、あくまでもなだらかな処理のため構造は残ります。そのため、かぶりの状況によっては、あえて星雲部分にも打点することもあります。とはいえ、それは例外処理なので基本は背景を探すのが良いと思います。
処理するときは、生成されたバックグラウンドモデルと、処理後のデータをよく見てOKか確認します。私はDBEは平均して打点のモデルを3パターンくらい作成して実験して最終決定しています。
さらに言えば、そのサンプリングポイントにあるピクセルにノイズが残っていると、それがDBEの調整基準値になってしまうのではないでしょうか?
その意味では画像のノイズ除去をDBEなどのバックグラウンド調整の前に実施した方が良いということなのでしょうか?
ノイズのことは気にされなくて大丈夫です。シグナルに比べて低いレベルなのでDBE処理に影響を与えることはほとんどないと思います。私はノンリニアフェーズの最後の方、つまり画像処理としては完成直前にノイズ処理をしています。これは本人の好みと思います。私は何か大事なデータを毀損するのが怖くて、最後の段階でノイズ処理をしています。