返信先: SPCC実行後に赤色に転ぶ現象

#22245
蒼月城
ゲスト

みなさま

いつものようにまたちょっと議論に出遅れてしまいましたけれども(苦笑)、今更ですが本件質問を興味深く拝見しました。
ただ、岡田さんの画像のSPCC結果を云々する前に、何らかのフィルターをつけて撮影した画像をSPCCで調整するときに、多くの方が勘違いしていることがあるように思えるので一言申し上げておきたいのですが、多くの方は

SPCCのフィルターやQE曲線の設定を、
(だいこもんさんが紹介している手法で)
実際に使用したフィルターの透過曲線やセンサのQE曲線通りに設定すれば
いわゆる「ブロードバンド撮影」したときのような見慣れた色合いになる

と思っていませんでしょうか。
極端な話、「SHOのナローバンド撮影をしても、SPCCでそれに合わせた設定をして適用すればブロードバンド撮影したときみたいな色合いになる」と思っていませんでしょうか。

それは大きな勘違いです。

フィルターやQE曲線の設定を実際の器具の仕様通りに設定したとしても、ブロードバンド撮影したときのような色合いには決してなりません。一部の波長の光がカットされるようなフィルターを通してみるわけですから、色合いは当然変わります。正しい色合い(正しい色合わせ)は、フィルターによって違うのです。
たとえブロードバンドで見慣れた色あいにならなくても、だからと言って、それだけで「正しく色合わせできていない」ということにはなりません。岡田さんが最初の投稿でポストしてくださった M33 や馬頭星雲付近の画像で言えば、「SPCC実行前の方が正しい色合いで、実行後が間違った色合いだ」ということにはならないのです。実はあの実行後の色合いこそ、「LPR-Nフィルターで撮った画像を正しく色合わせした結果」かもしれないということです。

そして、SPCCのフィルターやQE曲線の設定は、実際の器具と違うものを選択したとしても、出力結果はそれほど大きく変わらないことがほとんどです。ですから、あまり神経質に設定を気にする必要は実はありません。(もちろん、まったく無頓着で良いというわけでもありませんけどね。)

まずは以上のことについて正しく認識しましょう。

そのうえで、ですが・・・、そうは言っても岡田さんの M33 の画像について気になることがないわけではないので、2点ほど確認させてください。

① バックグラウンドはニュートラルになっているか

SPCCの BackgroundNeutralization の設定がグラフで隠れちゃったりしてハッキリしないのですが、バックグラウンドが本当にニュートラルになっているのかどうか、ちょっと気になります。M33 の画像の中で「この辺はバックグラウンドだろう」という領域を preview で囲んで、それを SPCCに設定したうえで SPCCを適用してみていただけませんか。囲む領域に星が多少入っても構いません。

② R/G のグラフの各点のバラつきが大きい

岡田さんも指摘しておられる通り、ちょっとバラつきが大きいように思え、したがって R:G の white balance factor がやや信用できません。もしかしたら SPCC の前に BXT を適用していることが関係しているかもしれません。もっとも、最新の BXT(correct only) はあまりこの辺に影響しないはずなので関係ないかもしれませんが、念のため、ImageSolver → SPCC → BXT の順番で適用してみていただけませんでしょうか。

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