Local Normalization(LN)のレファレンスについて

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  • #8477
    斎藤勇二
    ゲスト

    こんにちは。いつもブログを拝見しています。勉強になることばかりで助かっています。ご著書も拝読しました。ありがとうございます。

    お伺いしたいのはLNのレファレンスについてです。都内からの撮影ですので、幾晩もかかります。毎回フラットを撮影して、インテグレーションまで行うようにしています。スターアラインメント(SA)のレファレンスは空の状態の良い日に撮影できた、eccentricity値が小さい複数のライトをインテグレーションしたものを使っています。同様に、LNのレファンレスは、背景が暗いSN比の良いものをインテグレーションして使っています。

    これまでWBPPではキャリブレーションまでで、その後サブフレームセレクター(SFS)で選別、SA、LN、インテグレーションの順に実行していました。しかし、Niwaさんの前回の投稿を拝見し、SFSはやらなくても良いのではと思うようになり、WBPPで毎回インテグレーションまでやってしまおうと考えました。

    ところが、WBPPではSAのレファレンスはmanualで指定できるのに対し、LNのレファレンスは、そのときにキャリブレーションしたファイルから選ぶだけで、別の日に撮影したものは指定できません。

    これは、ある日のサブから作ったLNのレファレンスは、別の日のサブのレファレンスとして使ってはならないということなのでしょうか。そもそもそのようなLNの使い方は想定されていない、間違ったものということだとお考えでしょうか。ご教示いただければありがたく思います。

    #8481
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    斎藤さん、
    本をお読みくださいましてありがとうございます。嬉しいです。

    私も同じで、これまではCalibrationまでWBPPをやっていて、その後はマニュアルでしたが、今回のことでBlinkで画像選別したらSubframe Selectorの選別はやらないことにしました。

    LNのリファレンスですが、WBPPの最新版をお使いでしたらWBPPのLightでInteractive modeをチェックすることで選択することができます。

    またこれをチェックしない場合、PSF Signal Weightという測定方法で一番値が大きい画像が選ばれます。これは同じ日ではなく、複数の日の中で最も値の大きい画像が選定されます。一定以上の枚数がある場合は、PSF Signal Weightが高い画像を10-20枚インテグレーションした画像がリファレンスに使われます。

    PSF Signal Weightは星のデータの強さを測定しているようで、調べてみたところ、SN比に強く相関がありました。これまでのところ、Interactive modeでやっても、結局システムが選んだPSF Signal Weightが大きい画像をリファレンスにすることで問題がないので、私はInteractive modeは使わなくても良いかなとも思い始めています。

    ご不明点がありましたら、お気軽に返信ください。

    #8486
    斎藤勇二
    ゲスト

    丹羽さん、早速ご返事いただきありがとうございました。PSF Signal Weightは強力な評価方法のようですね。インテグレーションでは、SSWEIGHTやWBPPWGHTを使わないで、これにしようと思います。

    Interactive modeは試してみましたが、LAレファレンス作成の対象になるのは、その時にWBPPに放り込んだライトだけのようです。この点で、外部のファイルを指定できるSAのレファレンスとは扱いが異なるように思います。

    あるまとまったライトのLAレファレンスは、その中から選ばなければならないのでしょうか。WBPPを使わない手動のSA -> LN -> IIでは、LNレファレンスは自由に選定できますし、結果に問題はないような気がしていますが、いかがなのでしょうか。

    #8592
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    返信が遅くなりました。

    確かにWBPPにいれたIntegration対象のlightが対象です。Integrationに含めない外部のLightをリファレンスにしたいのは、どのようなときなのでしょうか。

    #8604
    斎藤勇二
    ゲスト

    丹羽さん、お忙しいところご返事ありがとうございます。ご返事はお暇なときでかまいません。

    都内からの撮影ですので、一日に撮影できるのは1対象あたり1~1.5時間程度です。1対象に10時間以上掛けないといけないと思っていますので、10日前後かかります。そのため、できれば撮影時点でインテグレーションまでやってしまい、最後に例えば10個のマスターをインテグレーションするという方法を取っています。全ての個々のライトをまとめて評価しないので、最善の方法ではないと思いますが、簡便なのでこのようにしています。

    最初の日のSN比の良いライトをインテグレーションしてLNレファレンスとします。以降の日のライトと、LNレファレンスを比較して、その日のライトの方が良ければ、それを新しいLNレファレンスとして残していきます。

    このように、SAレファンレスと同様、LNレファレンスは、WBPPでインテグレーションするライトの中には存在しないのが普通になっています。

    ある日に撮影したどのライトもあまり品質が良くない場合や、枚数が多くない場合は、WBPPによるインテグレーションでは最適なLNレファレンスが作れなくなってしまいます。以前に撮影した高品質なレファレンスが指定できれば、このような問題が起こらないのではと思った次第です。

    長文で失礼しました。よろしくお願いいたします。

    #8613
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    斎藤さん

    詳細な説明をありがとうございます。WBPPを使う場合はインテグレーションに含める画像がリファレンスになるので、ご説明いただいた方法を取る場合はCalibrationまでで止めて、その後は手動でする必要があります。

    その際にひとつ心配していることがあります。インテグレーションは、各種の統計処理をします。Pixel Rejection、 Noise Reduciton、重みづけなどです。正しい統計処理には十分な画像枚数を確保する必要があります。ご説明くださった方法ですと、各回のインテグレーションで充分な枚数が確保できず、品質が高まらなかったり、不適当な処理が起きてしまう可能性があります。

    ブログで記載した、Subframe Selectorを使わずにプログラムに選別を任せた処理をするときにも、プログラムが判断ミスをする可能性があります。とくにブログの方法ではPixel Rejectionを使った星像の改善が期待されるのですが、それがうまく働かないことを心配しています。

    もしPCの性能が許すのであれば、一回でインテグレーションすることもご検討ください!

    #8637
    斎藤勇二
    ゲスト

    丹羽さん

    ご説明ありがとうございます。そうですね。何回か試した範囲ではそれほど差がないと思ったのですが、マスターのインテグレーションは良くない方法のようですね。

    毎回のインテグレーションは確認のために行い、最終的な画像は全てのライトを同時に評価してインテグレーションするようにしたいと思います。

    やり取りさせていただいている間に、色々と気づくことがありました。ありがとうございました。

    #8638
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    斎藤さん

    ありがとうございます。マスターを分割して作る手法はそれほど変化は無いのですね。私は理屈の上だけで考えて実践していませんでしたので、もしかしたらそんなに気にする必要がないかもしれませんね。

    私もいろいろ勉強になりました。ありがとうございます。
    またお気軽にご質問ください。

    #8642
    斎藤勇二
    ゲスト

    複数マスターの合成は、私のノイズの多い少ないデータでの検証ですので、それほど差が出なかったのだと思います。確かにこのやり方では正確な評価ができないのは明らかですね。

    なお今回気がついたのですが、毎回のWBPPでは「評価を行わない」ディベイヤーデータを作り、これに対してBlinkでふるいを掛けたものを保存しておきます。最後に全てのディベイヤーデータに対して、CFAチェックを外して、評価・レジストレーション・LN・インテグレーションをしようと思います。これで、最後のキャリブレーション設定の手間と時間が節約できるような気がしています。

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