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2024年8月10日 07:14 #20937岡本拓也ゲスト
丹羽さんへ
いつもありがとうございます。上記に関してですが、速さは驚異的になりましたが、WBPPと何か違いはあるのでしょうか。お時間が許せば教えていただきたいです。ちなみにカラーCMOSではFBPPでも上手くできているように思います。よろしくお願いいたします。岡本より
2024年8月10日 14:03 #20941Masahiko Niwa/丹羽雅彦キーマスター岡本さん
前回ご質問いただいたDrizzleはFBPP1.1.0から設定可能になりました。Post-Calibrationから設定します。
WBPPとFBPPの違いはDrizzleが可能になったことで軽微になりました。WBPPの方が細かい設定ができることや、下記の点でよりWBPPの方が良い結果を得られます。
・Image Registration (位置あわせ)で projective transformationsではなく、spline-based distortion models を使うので、歪みの大きな画像を修正できる。
・NormalizationでGlobalではなくLocalなNormalizationをするので、画像ごとに輝度勾配が大きく異なる場合により適切にかぶり処理ができるようになる
逆に位置合わせ結果や、かぶり処理に不満がなければFBPPで良いと思います。
2024年8月11日 00:48 #20967蒼月城ゲストFBPP は、基本的には WBPP の Registration、Normalization、Integration の処理を FastIntegration に置き換えたものです。なので、主にはその部分に違いがあります。
FastIntegration は、1秒前後の短い露出時間で連続して撮影(”fast imaging”)されたデータを処理するために作られたプロセスで、以下のような条件が成り立つデータセットであることを前提に、従来のプロセスと比べて著しく高速化し、かつ画質もそれほど劣化しないように作られています。
a) フレーム間の位置ずれの量が小さい
b) 歪みの小さい光学系(非広角)で撮影されている
c) フレーム間で大きな勾配(光害)の変化が無い
d) 気象条件は全フレームでほぼ同じそれを踏まえたうえで、FBPP が設定や機能の面で WBPP と異なる主な点を挙げると以下の通りになるかと思います。
・Registration/Astrometric Solution/Local Normalization/Integration に関する詳細な設定が不可
・Registration のアルゴリズムの高速化
・Registration reference の設定を “Auto” にすると、異なるリファレンスフレームが選ばれることがある
・Local Nomalization はやらない(普通のnormalizationで代替)
・Integration 時の rejection の適用方法が少し異なる(これによっても高速化を実現)
・前回実行時と同じデータセットを処理するときにキャッシュが効かない重み付けや Astrometric Solution、Cosmetic Correction、そして drizzle は、最新版(FBPP1.1.0/WBPP2.7.5)では両者ともに選択実行できるようになっていますし、Calibrationフェーズでやることはほぼ変わらないはずです。上記 a) ~ d) を満たす fast imaging のデータセットであれば、Local Normalization の有無も画質にそれほど大きくは影響しないでしょう。
しかし、上記 a) ~ d) を満たさないデータセットを処理するときには、WBPP と比べて高速化される反面、画質の面で大きく劣化する恐れがあります。とくに、reigstration に失敗するフレームが多くなると画質が劣化しますので、FBPP で前処理したいのであれば、なるべく上記の条件が揃ったデータセットを使うときに限定した方が良いでしょう。また、rejection のやり方を考えると、人工衛星の軌跡なんかも、FBPP だと薄っすら残ることがあるかもしれません(大丈夫かもしれませんけど)。
そういったことに注意する必要があるかと思います。
2024年8月11日 09:38 #20970岡本拓也ゲスト丹羽さん、蒼月城さんへ
おはようございます。具体的かつ分かりやすいご説明のほどありがうございます。一晩で撮影した画像など、差があまりない場合はFBPP、複数日の撮影、他鏡筒で撮影した画像のインテグレーションはWBPPのほうがよさそうですね。様々な選択肢が出てきたことは大変良いと思います。FBPPは処理がとても速いので、あまり差がない多量画像のインテグレーションやラッキーイメージングの画像のインテグレーションでは重宝しそうだと思います。
本当にありがとうございました。
蒼月城さんへ
Star X terminatorの動画は大変わかりやすかったです。いつもありがとうございます。
岡本より
2024年8月11日 12:46 #20971Masahiko Niwa/丹羽雅彦キーマスター蒼月さん
早速ありがとうございます。
> d) 気象条件は全フレームでほぼ同じ
この条件は、Local Normalizationの効果に関するものという理解で正しいでしょうか。日によって輝度勾配の出方が違う場合が発生するので、WBPPのLocal Normalizationが有効であると。
私はリモートなので主にWBPPを使っています。また遠征のときは枚数がそれほど多くないので、FBPPを使わなくても、やっぱりWBPPで十分な感じです。
FBPPは撮影枚数が大量にあるときに、WBPPかける前の実験として使いはじめました。
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