私にとって初めてのCMOSカメラであるASI294MM Proを買いました。モノクロを選んだのはいろいろ試してみたかったから。また光害地である横浜の自宅から平日にも撮影をするために、ナローバンド撮影にチャレンジしたかったこともあります。
カメラはASI294MM Proと決めていたのですが、悩んだのがフィルターです。とくにサイズ選びに最後まで困りました。小さいサイズを選ぶとケラレてしまう。しかし大きいと高い。
購入予定のショップである星見屋さんにカメラの在庫を問い合わせたところ、星見屋の南口さんが、初めてのCMOSモノクロカメラ購入を心配して連絡をくださいました。焦点距離とセンサーサイズ、フィルターからセンサーまでの距離で決まるようです。私のBorg 72FLとレデューサーのセットは口径72mm、焦点距離288mmでF4です。南口さんの話では今回の294MM Proですと枠無しの31mmならちょうど良いそうですが、今後、より速いレンズにするかもしれず、余裕をもって36mmにしようと決めました。どうやらBaaderとAstronomikのフィルターがコストパフォーマンスが良さそう。じゃあ、そうしようと一件落着となりそうだったのですが、いまは世界中で品薄なのか、物流滞っているからか、海外のECサイトも含めて全然在庫がない・・・ここから迷走が始まりました。
フィルターの適正サイズの算出
フィルターの適正サイズはこのサイトで簡単に見積もることができます。こちらはすごいサイトでカメラの最新情報もすべて登録されています。ASI294MM Proも早くも載っていました。ここにレンズの口径72mm、焦点距離288mm、フィルターからセンサーまでの距離10mm(これはZWOのフィルターホイールであるEFWに記載がありました)を入力すると・・・24.9mmと出ました。これが今後の考えるベースとなる数字です。
フィルターサイズを調べたいという目的でブログをお読みくださった方は、ここでストップされても良いかもしれません。このあとは、私のグダグダです。
ZWO社の記載
ZWOのEFWのページには、次のように記載があります。
The distance between the filter and sensor is around 10mm when you connect it to ASI1600. So 1.25″ filters won’t have vignetting up to F5 focal ratio scope and 31mm filter won’t have vignetting up to F2 lens (ASI1600を接続したとき、フィルターとセンサーの距離は10mmです。そのため1.25インチフィルターを使うとF5まではケラレません。31mmフィルターではF2まで大丈夫です)
この記載は1600MM用ですが、294MMもバックフォーカスは1600MMと同じで、センサーサイズも同じフォーサーズ(センサーサイズは294MMの方が少し大きいようです)。私のレンズはF4なので、31mmは大丈夫。1.25インチはアウトということになります。ZWOのQ&Aに質問するとやはり36mmか31mmならOKとのことでした。しかしここで問題になったのが世界的な品薄? いくつかのECを見たのですが、LRGBとHα、SII、OIIIの7種類が全部揃ったBaaderやAstronimikのフィルターの在庫が見つかりませんでした。
そこに星見屋さんからの連絡が・・・
枠付きのAstrodon 31mm
「Astrodon 31mmのフィルターなら全7種類が1セットだけあります。ご用意できますよ。」
マジか・・・来ました。残り1セット問題。Astrodonといえばフィルター界のロールスロイス。私などが手を出して良いものか。とはいえフィルターといえばフィルター。使い方に違いがあるわけではないのでそれでもよいか・・。でももう一つAstrodon 31mmには心配があったのです。
ZWOの31mmフィルターはunmounted。つまり枠無しですが、Astrodonの31mmフィルターはmountedで枠付きです。つまり実質のフィルター径であるガラス面が小さくなります。Astrodonの取り扱いをしているFarPointのホームページの記載によると、「Astrodonの1.25インチと31mmは、ともに裸のガラス部分は27.5mmで同じです。違いは枠で、1.25インチの方は枠が厚くてネジが切ってあります。」
なんですと! ZWOでは上述のように1.25インチフィルターはF5までとあります。ということは1.25インチと31mmでガラスサイズが同じAstrodonでは、枠付き31mmを買っても1.25インチ相当となってしまいダメなのでは・・・
EFWの内径は28.5mm
気落ちしつつ、改めてZWO社のEFWの製品ページをくまなく見てみると、一つ発見をしました。8穴EFWのフィルターホイールの内径は28.5mmなのです。31mmはフィルターをはめるための大きさで、光が通る穴は28.5mm。ZWOの記載では31mmでF2までケラレないとありました。光を通る穴である内径ベースでは、28.5mmフィルターでF2まで大丈夫ということです。であれば1mm小さい27.5mmフィルターでもF4なら大丈夫な気がする。そもそもフィルター測定サイトの計算では24.9mmまでケラレないとあります。きっとZWOの1.25インチがF5までなのはフィルター径が27.5mmより小さいのと想像しています(あくまでも想像です)。
ということでAstrodonの使用を開始しました。まだ天体は撮っていませんが、景色を撮影する分にはケラレはおきていないようです。フラット、ダーク、バイアスを撮影したところ、ダークにアンプグローも出ました。「おおこれが噂に聞くアンプグロー」となんだか嬉しくなりつつも、ちゃんとダークで引くことができるのか不安になりつつ、天気の良い日を待っています。