PixInsightを使った最初の頃からずっと欲しかったけれど、なぜか無かった機能があります。HDRMT(HDR Multiscale Transformation)の適用強度を決める機能です。それがついにできるようになりました。Intensityパラメータです。

だいたい昔から、カレーにしても天体画像処理にしても「混ぜると美味しくなる」と言われています。この機能によりその混ぜることが簡単にできるようになりました。早速試してみましょう。
これまでのHDRMTで面倒だったこと
明るく飛んでいる領域で見えなくなった構造を浮かび上がらせるのがHDRMTの機能です。典型的にはオリオン大星雲の中心部のような領域に適用します(というかHDRMTはオリオン大星雲のために作られたのような気がします)
たとえばこのオリオン大星雲。このままでも綺麗ですが、中心部が白く飛んでいて構造が見えません。

そこでHDRMTをNumber of layers=7で実行してみます。

構造が見えてきました。トラペジウムも復元されています。

しかし、全体が貧弱になってしまうので、ここで元の画像とHDRMTをかけた画像をPixel Mathでブレンドします。元を画像をOriginal、HDRMT(Number of layers=7)の画像をHDR7とすると、その2枚の画像をPixel Mathで0.5ずつ足し合わせます。

するとこんな感じの画像ができます。

「混ぜるとおいしいよ」というわけです。
3枚以上の画像をブレンドしながら作ることも多くあります。上の例では2枚の画像をブレンドしましたが、Number of layers=6の画像を作って、3枚をブレンドしてみましょう。

結果はこうです。

・・・ん?あんまり変わらない? まあでも隠し味が効いているかもしれません。
このようにHDRMTでブレンドは多用する技ですが、問題は、混ぜるための画像が多くなりワークスペースが混雑してくること。操作を間違えたことも何度かあります。

そこで、登場したのがHDRMTのintensity機能です。
HDRMTのintensityで簡単にブレンド
上記で実施した、オリジナル画像とHDRMTのNumber of layers=7の画像を50%ずつでブレンドするとき、二つの画像を作ってPixel Mathでブレンドする代わりに次のように設定して実行します。

すると、Pixel Mathで混ぜた場合と同じ結果を得られます。

同じように、オリジナルを40%、HDRMTのNumber of layers=6を30%、Number of layers=7を30%のブレンドをする場合は、3つの画像を作って”Pixel MathでOriginal*0.4 + HDR6*0.3 + HDR7*0.3″と書いて実行する代わりに、HDRMTをNumber of layers=6と7で、2回かけることで同じ効果を得られます。

やはりPixel Mathでブレンドしたときと差はないようです。
このとき1回目のHDRMTでは、Number of layers=6のIntensityは、オリジナルが40%、HDR6が30%なので、30/(40+30)=0.429とします。2回目のNumber of layers=7は0.4です。
文字で読むと難しそうに見えますが、やってみるととても簡単です。ぜひお試しください!
