今年の目標の一つに「撮影技術を向上する」を掲げました。まあこれ、今年の目標ってわけでなくて、ずっとそうなんでしょう。その第一弾としてAPTとオートガイドを導入しました。オートガイドはQHY5L-IIMとミニ・ガイドスコープです。
新月にだんだん近くなってきた月齢24.9のこの日、遠征を予定していましたが翌日に予定があったこともあり遠出はやめて、自宅でAPTとオートガイドの練習をすることにしました。
なんか、いっぱい載っています。本来、ささっと準備できて気軽に撮影できるのがポータブル赤道儀の良いところ。冷却CMOS使ってオートガイドも載せて、というのは何か方向性を見失っている気もしますが、そういうところに目をつむるのがSWATユーザのお約束です。オートガイダーの端子がある限り、使ってみたくなるのが心情です。
APTの使い方はけむけむさんの動画を、PHD2の設定と使い方はHIROPONさんのブログを参考にしました。またSWATでの設定はSamさんのブログの記載でスムーズでした。またAPTでズームができないことに時間を使ってしまっており、CMOSカメラではズームができないことをTwitterでnabeさんに教えていただき助かりました。けむけむさん、HIROPONさん、Samさん、nabeさん、ありがとうございます!
APTの練習
これまで使っていたZWO謹製のASIStudioと異なり設定できる項目が増え、使いこなしにはまだ修練が必要な印象です。とはいえ私が使うのはカメラとフィルターホイールだけの操作なので、慣れだけでしょう。しかし撮影画像をズームできないのはちょいと使いにくいのと、何枚か前の撮影データをみるのが手際良くできません。撮影するPCにもPixInsightをいれ、使い慣れたPixInsightで確認しようと思います。
撮影用のWindowsは、画像処理用のMacにBootcampでインストールしたものなので、一台に2個のPixInsightを入れることになっちゃいます。
PHD2で一軸オートガイドをしてみる
オートガイドは一晩中トラブってああでもない、こうでもないとなることを予想していましたが、あっさり動作しました。これは先人のノウハウの蓄積の賜物でしょう。本当にありがたいです。
ネットで見慣れたグラフが自分のPCに出てくるのが嬉しい。SWATは赤経のみの一軸ガイドですので、赤緯の赤いグラフは始まって数分で空の彼方に消えていきました。この夜は風もなかったのでガイドは比較的、落ち着いていました。RA Oscも0.44なので平均的に行ったり来たりができているようです。いまは動作確認レベルなので今後、詰めていきたいと思います。
効果は?
これまで歩留まりをあげるために60秒の撮影を基本としてきました。しかしリードノイズの懸念があります。またCMOSモノクロカメラに移行したことで総露出時間が増えたため枚数が多すぎてPixInsightのIntegrationに時間がかかりすぎるという事情もあります。もう少しコマあたりの露出時間を延ばしたい。それがオートガイド導入の目的です。
いつものようにPoleMasterで極軸を合わせた後、120秒、180秒、240秒、300秒で撮影してみました。当初はテストしながら天体撮影をする予定だったので、HαでフォーカスをあわせていたのでそのままHαでテストしました。結局天体撮影までは及ばず練習でこの夜は終わってしまいました。
まず120秒(2分)。上が北です。
これは大丈夫。ノータッチでもしっかりあわせれば点像になります。つづいて180秒(3分)。
少し南北、東西の両方に膨らみを感じますがPixInsightでIntegrationすると丸くなりそうな気がします。では240秒(4分)。
もはやこれまでか・・・赤緯方向である南北に伸びています。気持ち東西方向にも伸びています。最後に300秒(5分)。
SWATの実力はこんなものではないはず。南の空だったので東西方向に極軸がずれていたものと思います。300秒露出するには、よほどしっかり極軸をあわせなければいけないのと、たわみ対策など他にも目配りが必要になるのでしょう。とはいえ、これまでの私のスタンダードは60秒。これからは少なくとも120秒は安心してできそうです。無風など条件がよければ180秒もいけるかも。
次回は実践です!
反省・・・
記事をツィートしたところHUQさんからアドバイスをいただきました。三脚のアジャスターを微調整することで南中±45°では南北方向のずれを抑制できるとのこと。その手法で撮影したこのオリオン大星雲は、SWAT-350の一軸ガイドで異次元の32分露出とのこと。3−4分でへこたれている場合ではありませんでした。練習あるのみ!