
半年ぶりに深城ダムに行って撮影してきました。北極星のまわりをくるくる回るケフェウス座の左肩のあたりです。天文ファン向けには象の鼻星雲(Elephant’s Trunk Nebula)のちょい北東あたり。
この領域はとっても綺麗な星雲が多くて、どこを撮ろうか悩みました。ちょうど全体にぼんやり星雲があり、左に濃い星雲、右に明るい星々が見える構図ができそうだったので、ここにしました。2枚の写真を上下につなげています。モザイク撮影といいます。
自画自賛しちゃうと、なんだかとっても綺麗になりました! めっちゃ気に入って昨日から何度もみています。
ケフェウス座って?
ケフェウス座という名前を聞いたことがない方もいらっしゃるかと思います。北極星の近くを回る星座は北斗七星とカシオペア座が有名ですが、ケフェウス座も同じく北極星近くを回っています。私の住む横浜市街ですと、北極星と北斗七星、カシオペア座は見ることができますが、ケフェウス座は見つけられません。三浦や鎌倉の海岸など、ちょっと暗いところまで足を伸ばせば見ることができます。

(88星座図鑑を参考に筆者作成 https://www.study-style.com/seiza/)
ケフェウス座は将棋の駒のようなわかりやすい形をしているので、一度、認識するとすぐに目に入ります。「星座がわかんなーい」という方が多いと思いますが、最近のスマホの星座アプリを使うと簡単に見つけられます。おとめ座のように何度見てもわからない星座と違って、いまの時期ですと、はくちょう座、ケフェウス座、さそり座はすぐに認識できて忘れないのでおすすめです。ちなみに夏の空では「いるか座」が私の推し星座です。可愛いのです。
ところでさきほど初めて知ったのですが、ケフェウス座とカシオペア座は夫婦だそうです。なんなら、カシオペア座の反対側の横にいるアンドロメダ座は二人の娘とのこと。嫁と娘の方が名が知られているわけですね。
深城ダムで
前回の遠征でのお手軽な機材に気をよくした私は、今回も軽い装備で行きました。

平日ということもあって、現地にはピクニックにきた若い夫婦と赤ちゃんだけでした。
「バッテリーは何に使うんですか?」
「小さい方のバッテリーは地球の自転を打ち消すための機器です。大きい方はコーヒーを淹れるためです」
なんて会話を少し楽しんだ後に、赤ちゃんも抱っこさせていただきました。赤ちゃんは、ふわふわしていてとっても可愛い!
日が落ちて一人寂しく撮影をしていると、21時くらいに友人のぐらすのすち君が様子を見にきてくれました。明日も仕事ということだったので、小一時間ほどおしゃべりしてお茶して帰宅されました。深城ダムはソフトバンクの電波が届かないのでSNSも使えず、夕方に到着してから朝まで完全にひとりぼっちです。訪問者はとっても嬉しいことでした。
とっても濃い流れ星
天体撮影をしていると、流星群の時期ではなくても流れ星はたくさん見ることができます。この夜もたくさん星が流れました。いつもと違ったのは、とっても流れ星が濃い!
気のせいかもしれませんが、はくちょう座の方向に天の川にそって流れた流れ星が多かった気がします。ペルセウス座とはくちょう座は天の川沿いにありますので、流星群が少しずつ始まっているのかもしれません。ペルセウス座流星群のピークは8月13日です。今年のペルセウス座流星群の時期は満月に近いので期待をしていませんでしたが、もしかしたら今年は当たり年なのかも。期待が広がります。
<撮影データ>
2025年7月29日 11時54分0秒 〜 3時33分38秒
FSQ-106ED (口径106mm F5)
ZWO ASIAIR
ZWO AM5
ASI290MMMini / ZWO 30F4 ミニスコープ ASIAIRでガイド
ASI6200MC Pro
露出(-10°C冷却, Bin1x1, Offset 50, gain 100)
120秒 x 45枚 (パネル1 RA: 22h 12′ 33” Dec: +61° 54′ 35”)
120秒 x 43枚 (パネル2 RA: 22h 11′ 36” Dec: +63° 57′ 56”)
露光時間 2時間56分
PixInsightにて画像処理
撮影地: 大月市七保町 深城ダム