子午線反転前後で光条が合わないのをPixで何とかしたい

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  • #9501
    近江商人
    ゲスト

    いつも参考にさせていただいております。今回は特殊な相談にのってください。

    私は反射望遠鏡を使っているのですが、子午線反転前後の画像において、光条の角度が微妙に異なり、前後の画像を、StarAlignmentしたときに星はAlignmentできても、光条はAlignmentされずに合成されてしまいます。

    問題の状態はこちらです。

     

    合成前の一枚画像はこちらです。

    さて、何かしら解がないかと、丹羽さんの門を叩きに伺いました。本来であれば、赤道儀の問題なのか光学系(フォーカサーが怪しい??)のですが、Pixinsight で何とかしたい!

    ラストチョイスは、合成後の画像からStarXterminator2で星だけ抜いて、子午線反転前後のどちらかの画像だけを合成した画像をStarXterminator2で星を取り出して、その2つを合成するアイデアしかないかと思っていますが、それはやっぱりラストチョイスにしたくお知恵貸していただけないでしょうか。

    ちなみに、StarAlignmentの設定で、「Thin Plate Spline」で<Distortion Correction>にチェックいれても変わりませんでした。。。

    #9519
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    近江商人さん、こんにちは。
    こちらでは初めてですね。質問ありがとうございます。
    2つ方法を考えてみました。一つ目の方が精度が高いと思います。

    以下、反転前の画像をA、反転後をBとします。Bの光条を消すのが目的とします。

    (1) Pixel Rejectionを使う方法

    Image Integrationをするときに人工衛星の軌跡などを消す機能を応用することを考えました。
    Image IntegrationのPixel Rejectionは、雑に言うとピクセルごとの輝度の平均値から外れたものを除外します。人工衛星の光は、ない場合に対してそこのピクセル輝度が高いので除外するわけです。

    ここでBの方のsubframeをたとえば10個のグループにわけます。B1, B2, B3..とします。Aが100枚、Bが100枚とすると、B1, B2, B3..は10枚ずつです。AとBの200枚をそのままIntegrationするとAとBの光条がそのまま採用されますが、AとB1をIntegratonすると、Aの100枚に対してB1が10枚で1/10なので、Bの光条のあった部分の輝度の平均値がAに近い値になり、結果としてB1の光条が外れ値として除去されると考えました。人工衛星の軌跡が消されるのと同じ理屈です。

    こうして、できた10枚のマスターファイルを、再度、Image Integrationします。2回に分けてIntegrarionすると統計上のロスはありますが、以前の質問コーナーに書かれていた方の話ですと、それほど変化はなかったそうです。
    https://masahiko.me/forums/topic/local-normalization%ef%bc%88ln%ef%bc%89%e3%81%ae%e3%83%ac%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

    (2) マスクを使う方法

    (1)がうまく行かなかった時の次善の手段で考えました。

    A、BそれぞれでImage Integrationしたデータを、masterA、masterBとします。まず二つのmasterをLinerFitで輝度を揃えます。

    次にPixel Mathで、(masterB – k*masterA)としてkをうまく調整すれば、Bの光条だけ抽出できるように思います。

    その抽出した光条を強調したりなど加工してマスクにしてmasterBに適用し、masterAの画像を流し込みます。流し込むのはPixel Mathで(master A)とだけ書くと、マスクがかかっていない部分が置き換わります。

    すると光条部分がmasterAに置き換わるように考えました。

    私の頭の中ではうまくいっているのですが、どうでしょうか。

    #9701
    近江商人
    ゲスト

    丹羽さん、すごく丁寧なAnserありがとうございました。

    2の方法はPhotoshopで強引にできそうなので、1の方法を試してみた結果です。

    子午線後の画像を28枚固定、子午線前の画像を変動させてみました。Rejectionアルゴリズムは、Winsrized Sigma Clippingで、その他の設定はデフォルト値を利用しております。

    まず、28枚に対して5枚については1本の光条が現れましたが、子午線前の画像を10枚、14枚と増やすとダメでした。

    そこでデフォルト値”3”のSigma Highを少しいじってみたのですが、子午線前を10枚にした場合、”2”に設定すると成功、14枚にした場合、”1.5”に設定すると成功。ただし弊害として、SNRが下がってしまういました。

    配分と、Sigma high値のバランスの塩梅については、もう少しパラメータをいじる必要がありそうです。

    #9702
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    近江商人さん、

    消えたのですね!まずはよかったです。Sigma HighでSNRがそんなに下がるのですね。外れ値をRejectionするだけだから、それほど関係ないかと思ったのですが、2シグマで5%、1シグマで32%リジェクションされると考えると影響がでてくるのでしょうか。

    私なら5枚、Sigma High=3の画像を6枚作って、もう一度、Integrationする作戦をとりそうです。

    #9748
    近江商人
    ゲスト

    忘れていたのですが、子午線前後の画像で無駄に広がりの違う光条をとる取り組みを昔にやっておりました。

    https://note.com/o_mi_shonin/n/naa580c01fd15

    このとき、Sigma Highを結構追い込んでいて消していたようです・・・

    Sigma highを調整することでSNRは悪化しますが、消すことができるようです。

    #9773
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    拝見しました。Pixel Rejectionだけでも周辺部は消えていますね。参考になります。

    このプレアデス、周りにほんのり赤がのっているのですね。私のプレアデスは単色にしてしまったのですが、近江商人さんのは、色数のせいかとても鮮やかに見えます。

    https://masahiko.me/pleiades-tokodai/

    #10423
    蒼月城
    ゲスト

    今頃になってこのスレッドを拝見したのでちょっと遅きに失したかもしれませんが、ご容赦ください。

    私も丹羽さんの(1)がベストかなと思いますが、手間がかかるので面倒くさいということであれば、単なる思い付きではありますが、次の方法はいかがでしょうか。

    ・Image Integration 時の Combination の設定を Average ではなく Median にする。(rejectionの設定はデフォルト通り)

    子午線前より子午線後の枚数がかなり多いので、光条部分では必ず子午線後のフレームのどれかが選択されることになると思います。もっとも、これだと ①SNRが多少悪くなる、②2本目の光条が薄っすら残る、といった可能性があります。しかし、Local Normalization が効いていればあまり気にならない程度で済むのではという期待もできたりできなかったり(笑)。上手くいくという保証はできませんが、とにかく一度試してみてはいかがでしょうか。

    #10525
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    蒼月さん

    ありがとうございます。平均ではなく中央値を取る作戦ですね。確かに消えそうですね。課題は中央値をとるため、Weightロジックが使えなくなることでしょうか。最近、私はSNが低いデータやガイドエラーも果敢にIntegrationする方針にしたので、Weightが大事になってきた感があります。

    #10528
    蒼月城
    ゲスト

    そうなんですよね。Weightsは意味を持たなくなります。そもそも WBPP の W は Weighted の W だろう、みたいな(笑)。なので、最終手段みたいな感じですね。

    #10532
    Masahiko Niwa/丹羽雅彦
    キーマスター

    確かに・・・ww

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