私はNGC 300という銀河がとても好きです。もはや愛していると言っても良い。前回、NGC 300を撮影したのが昨年のいまごろです。タカハシのFSQ-106Nで撮影しました。その時に感じたのが「自分史上、一番綺麗!」
今年の3月に投入した新鏡筒AGOptical 10″iDKで、再度撮影するのを楽しみにしていました。撮影は早く終わったのですが、画像処理に「あーでもない、こーでもない」と時間がかかってしまいました。結果ががこちら。
おお、やっぱり美しい。よくもこんなに綺麗なものが自然界に存在すると思います。北半球ではお馴染みのM33に少し似ています。M33は中心のバルジから周辺のハローに広がる感じが、もう少し鋭く強い感じがします。一方でNGC 300は緩やかにまったりと広がり、柔らかい感じがします。
HII領域、いわゆる赤ポチもHαのフィルタで撮影しました。HII領域は星が生まれるところと思うのですが、これまた驚くほど綺麗です。
面白いことに、HII領域はカブトムシの幼虫のようなぐるぐる巻いた構造をしています。これが渦巻銀河を背景に「まさに星が生まれている」感じがして神秘的です。生命の躍動感すら感じます。調べてみるとM33も同じようにHII領域はぐるぐるしていました。どうしてこんな幼虫みたいな形なのかは、いま調べ中です。
いつものようにrnaさんのGalaxy Annotatorで遠方銀河も調べました。
21億4000万光年先の銀河が写っていました。太陽ができたのが50億年前。地球は45億年前なので、その半分くらいの時間に出た光が届いたのですね!ちょっと赤っぽいのは赤方偏移なんだと思います。
<撮影データ>
2023年9月30日 〜 11月11日
AG Optiral 10″ iDK (250mm, F6.7)
Astro-Physics 1100GTO-AE
オフアキシスガイド ASI174MM Mini
ASI6200MM Pro
CHROMA LRGB, Hα Filters
露出(すべて-10°C冷却, Bin1x1, Gain 100, Offset 50)
L: 300秒x260枚
R: 300秒x83枚
G: 300秒x83枚
B: 300秒x79枚
LRGB 露光時間 42時間05分
Hα: 600秒x258枚 (43時間00分)
HαLRGB 総露光時間 85時間05分 (ただしHαの37時間はHII領域の強調のみ)
PixInsightにて画像処理
撮影地: チリ・ウルタド渓谷リモート撮影
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