星沼会合宿と、アンドロメダ大銀河と、彗星と、新星爆発

合宿で撮影したM31 アンドロメダ大銀河

星沼会の冬合宿が2023年10月13日(金)〜15日(日)に開催されました。私は仕事終わりの金曜日に会場の高萩ユーフィールドに向かいました。高萩ユーフィールドは廃校を活かしたキャンプ施設です。普段の撮影とは違い、キャンプ場での撮影は快適でした。

高萩ユーフィールドでの星沼会冬合宿

私は今回から新機材を投入しました。米国人から中古で購入したAstro-Physics Mach1Advanced Telescope Systems社のピラー、友人から譲り受けたFSQ-106ED。このマウントと鏡筒のセットは友人に貸していただいていたセットと同じです。これまでモノクロ中心の撮影だったのですが、カラーカメラのASI6200MCも購入しました。鏡筒にはフードもちゃんと作りました!

新投入の機材

星沼会は満月週末にZoomミーティング(という名のぐだぐだ話す会)を開催しています。機材のノウハウや画像処理などの情報交換も、チャットやミーティングで盛んです。そのため直接会うことのできる合宿では、オンラインではできないようなことをしたくなります。今回の合宿ではスパイスから作る本格カレー作り(とはいっても主要部分はそーなのかーさんが調理)と、赤道儀の解体ショー(これもそーなのかーさんとぐらすのすちさんが解説)がメインイベントでした。赤道儀の解体ショーはウォーム、ウォームホイールやクランプなど、赤道儀の基本構造を見て理解することができ、機械に詳しくない私にはとてもありがたいものでした。クランプを緩めるとこんなことがおきてのかー、という感じです。

お酒を飲みながらの撮影は・・・

星沼会といえば合作です。今回も保有機材の画角に応じて撮影する分担をあらかじめ決めていました。しかし「合作は2日目の夜に撮れば良いや」と考えて個人プレイに走った私は、1日目は撮りたかったアンドロメダ大銀河を撮影しました。2日目は残念ながら曇ってしまったので、合作への貢献度はゼロです。面目ない・・・。

普段の国内遠征では帰りの運転があるのでお酒は飲めませんが、この日は2泊の1日目なので飲みながら撮影することができます。お酒に弱い私。酩酊状態で撮影がすすみます。撮影途中に誤って撮影ソフトのN.I.N.Aを終了させてしまい、さらには再起動のときにシーケンス(撮影プログラム)を開くつもりが空のファイルを保存してシーケンスを消してしまいました。深夜の学校のグラウンドで酔っ払いながら、さらの状態から撮影シーケンスを書き始める私。そこにさらに、Aramisさんとぐらすのすち君のマッサージ攻撃で追い討ちがかかります。1000人に1人とも称される黄金の肩凝り症の肩を持つ私。あまりの心地よさと酔いにより強烈な睡魔が襲います。「もういいや」という気持ちと闘いながらようやくシーケンスを書き上げ、実行ボタンを押すと同時に寝落ちしました。目が覚めるとLoop条件を書くのを忘れたシーケンスは、哀れ、2枚撮影して終了していました。そんな闘いを経て撮影したのが冒頭の写真です。

二つのレアな撮影

この合宿中に二つのレアな撮影を経験することができました。

ひとつめはお風呂屋さんで温泉につかったあとにみんなでまったりしていたときのこと。そーなのかーさんの声が響きます。

「あー、彗星!」

ちょうどその時間にチリでリモート撮影していたNGC 300に彗星が写りこんでいるというのです。おりしも私もNGC 300を撮影していました。みてみると・・

「おおー」

渦巻銀河NGC 300の隣に立派な彗星が写っています。動画でお楽しみください。

もう一つは新星です。星沼会のhinokirさんが合宿から帰ってきて教えてくれました。

「M31で新星爆発がありました。合宿期間に近いので写っていませんか」

ネットで調べると合宿の3日前の10月3日に新星爆発があったようです。AT2023Uriという名の新星です。ちょうど私は10月7日にもアンドロメダを撮影していました。新星の爆発前後が写っているかも・・・。興奮しながら大捜索しました。すると・・・おお!写っています。アニメーションでご覧ください。

合宿の一部始終はだいこもんがブログにまとめていますので、ぜひご覧ください。またAramisさんの動画は構成やカットがもはやプロの一流作品です。動画はやっぱり良い。合宿の楽しさがよみがえります。教室に朝日が差し込むシーンがエモくて私のお気に入りです。↓もぜひご覧ください。

ということで、とっても楽しい合宿でした。

土砂降りの雨の中を帰路につきました。家に着いたら見事な虹がかかっていました。

よく見ると副虹もかかっています。

<撮影データ>
2023年10月13日 23時9分39秒 〜 10月14日4時22分38秒

FSQ-106ED (口径106mm F5)
Astro-Physics Mach1
QHY5L-IIM/ミニ・ガイドスコープ PHD2でガイド
ASI6200MC Pro
露出(-10°C冷却, Bin1x1, Offset 50, gain 100)
180秒x72枚
露出時間 3時間36分 (180秒x72枚)
PixInsightにて画像処理

撮影地: 茨城県高萩市 高萩ユーフィールド

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