新しい価値の時代? 2022年11月8日 皆既月食・天王星食

皆既月食

星沼会にとっては2022年11月8日は大忙しでした。東北と山梨での2カ所に分かれてサイトロンジャパンと天リフの皆既月食・天王星食LIVEのコラボ企画に協力しました。山梨班は、星沼会のAramisさん、ぐらすのすちさん、yanamodakeさん親子に加えて、私がチリの皆既日食でお会いした檜木さんと、私の嫁も参加しました。

檜木さんとお会いするのは実に3年4ヶ月ぶり。チャットではなんどもやり取りしていましたが、実際に会うのは2019年のチリの皆既日食で初めてお会いしてから2度目です。彼女とはもう「皆既◯◯」でしかお会いできない運命なのかもしれません・・・そんなことはないかw

嫁が一緒に来たのには理由があります。私が「11月8日は皆既月食だ!」と騒いでいたら、「そんなことより、天王星食でしょ!」と言っています。ホロスコープを読むのが趣味の嫁は「今日から木星が逆行だよ」「土星は水瓶座にいるね」的なマニアックな会話をいつも私に仕掛けてきます。今回のイベントは「革新の星である天王星が、価値・愛・喜びの意味がある牡牛座で満月に隠される。価値観がガラリと変わり、これまで好きでやってきたことが価値になる」ということだそうです。お、なんかいいぞ。好きなことで食っていける時代到来か?

東名高速の工事渋滞に苦しみながらも、山梨県の全国育樹祭記念広場に到着しました。到着したら機材の展開。そこで私は天文民にはあるまじき、痛恨のミスをします。

嫁「なんか見慣れない機械がある」
私「・・・」
嫁「なんか増えてない?」
私「・・・」
嫁「後で、話をゆっくり聞かせてもらおうか」

(その後の事情聴取は私の多忙を理由に先延ばしにしています。その間にできることとして、昨日はリンツのお店をたまたま通ったのでチョコを買いました。また月曜には都内の有名店に16号のホールケーキを注文してあります)

なにはともあれ、機器の設置を始めました。私は配信用のPCをAramisさんの鏡筒、赤道儀、カメラのセットに接続します。天リフのライブに備えて準備を開始しました。

今日は見事な晴れ。すぐにあたりは暗くなり、月食が始まります。

ライブ配信中 (機材はAramisさんのFRA600とRST-135)

程なくして月が赤くなり、皆既月食が始まりました。今日は夜の霊峰富士がそびえる広場での観測で、いつもの不気味な皆既月食がさらに不気味さを増し、とても良い感じです。それまで満月に照らされて星があまり見えなかった空に天の川が横切り、たくさんの星座も姿をあらわします。サイトロン・天リフの皆既月食レポートもなんとか終えました。

関東星沼会の出番は2:31:55と3:27:16から

観望には無敵なビクセンR130Sfを持ってきました。R130Sfを持ち出すとつい人に天体も見てもらいたくなる私。広場を見渡すと、ちょっと離れたところに2組ほどグループがいました。近くに行ってみると若い人たちです。

「望遠鏡があるけど、よかったら見にきませんか」
「いいんですか?いきます〜」

このセリフを言って、ついて来なかった人は過去に一度もいません。やっぱり望遠鏡をのぞくという行為は、誰にとっても魅力的なんですよね。

「月ってこんなふうになっていたのか!もっとツルツルだと思った」

赤い月食を見ていただいた後、木星のガリレオ衛星、アンドロメダ、スバルなどを見てもらいました。ちょっとウェイっぽいお兄さんはスバルをみて、

「おお〜。これは銀座のお姉さんについているやつだ」

とうまいんだかどうだかわからないことを発しています。その横の私がドヤ顔であることは言うまでもありません。

そしていよいよ、天王星食の瞬間がきました! PCのスクリーン越しにみる天王星は思ったより明るく光っています。綺麗な青がとても印象的です。声をかけたたくさんの方々も交え、固唾を吞む一同。皆の熱い目線をうけて、天王星が月の裏に消えていきました。この瞬間に、太陽、地球、月、天王星が並んだわけです。後日、私の友人は「あの瞬間に太陽を出て天王星で反射した光子が、月をかすめてカメラのレンズに入ってきたわけですよね。ホールインワンですね」と話されていました。本当ににそうですね。太陽を出た光が往復5時間くらいかけて戻ってきたわけです。

富士山をバックに記念写真をパチリ (撮影: Aramisさん)

最後は星沼会の誇る二人のバリスタ、yanamodakeさんとぐらすのすちさんのコーヒーを堪能して帰途につきました。天気に恵まれて素晴らしい夜でした。

一緒に観測したAramisさんのブログも合わせてどうぞ〜

11月8日遠征記録 快晴の皆既月食を育樹祭記念広場で見る
皆既月食の観測のため、山梨県の育樹祭記念広場へ行ってきました。前回の育樹祭訪問は2022年1月4日。10か月ぶりとなりました。単に皆既月食を見るだけならば自宅のバルコニーからでも十分なのですが、この日は星沼会としてサイトロンジャパンのYou...

<撮影データ>
皆既月食
2022年11月8日 19時35分49秒
Askar FRA600(口径108mm F5.6)
RST-135
ASI2600MM Pro
露出 5秒(-10°C冷却, Bin1x1, Offset 50, gain 0)

PixInsightにて画像処理

撮影地: 山梨県全国育樹祭記念広場

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