天リフイベントで南天のお話をしました。<アーカイブあります>

天リフの夏祭り「星と宇宙の夏ライブ2021」でお話をしました。

今回は天文初心者向けにお話をするコンセプトで、南天の面白さをお伝えしようと試みました。この2週間ほどずっと晴れていて、お話する直前の10分前にも晴天だったにも関わらず、本番で曇るというのはある種のお約束。全体としては自分ではうまくいったかなって思っています。普段は写真や、ブログという文字メディアで活動している私ですが「動画も悪く無いなぁ」と映像表現に興味を持ちました。

今回の講演。私はちょっとした手答えを感じています。天文や宇宙にそれほど興味のない知人も付き合いで誘って聞いてもらったところ、ありがたいことに「楽しく聞けた」とポジティブな反応をいただいたのです。みんな好きだったことをすっかり忘れているけど、星とか宇宙とかを嫌いな人はいない、という印象を持ちました。

実はこの講演の一週間前にもプチ観望会をしています。鎌倉で知人らと食事をしたとき、お店が早く終わってしまうので、持ってきた13cmの反射望遠鏡(R130Sf)を使って近くの海岸で「無理やり星を見せる会」を開催しました。天文が趣味というわけではないメンバーでしたが、まずは挨拶がわりに土星、木星、月のクレーターを見せて、「おお〜」となりました。さらに盛り上がったのが、さそり座、はくちょう座など星座解説です。とくに女性は占星術が好きな人がいるので星座は楽しいのでしょうね。こういうのは阿智村にでも行かないと見られない、と思っていたようで、東京にほど近い鎌倉でこれほどの星座が見られるのに驚いていました。うっすらと、いて座方向からのびる天の川も見られました。結局、終電を逃すまで見ていました。

私がこういうときに好んで解説するのは地球のダイナミックな動きです。天リフでも地球儀を使って南天の話をしたように、鎌倉でも北極星や天頂、南を空を見ながら天球がぐるぐるまわる様子を説明しました。低い位置にあった木星が時間が経つにつれて上がってきたことや、月が海に沈むのを見て、地球の回転を意識してもらいました。地軸に対して斜めに立っている不思議さも感じてくれたと思います。普段から赤道儀を使っている、我々天文界隈の人間は持ち合わせているこの斜め感覚ですが、初心者の方には面白いようです。

流星群のときも同じです。放射点を指して「地球があっちの方向に猛烈なスピードで進んでいる」話は鉄板。一年で唯一、地球の公転を実感できる瞬間ですね。

今回の天リフではこんな「ちょっと知識があるだけで格段にたのしくなる」ことを伝えたいと思いました。満点の星のもと、ぼ〜っと見るのも楽しいですが、知識があると楽しさ倍増というわけです。

天文界隈にいる身として、星に興味をもつ人が増えるのは嬉しいことです。天リフ夏ライブの他の講演者の方々は、同じようなモチベーションを持って、私よりずっと長く活動を続けられていることには感銘をうけました。天文ファンが増えると、光害の問題が改善したり、魅力的な機材が増えたりと実利もたくさんあります。

私も微力ながら、貢献したいなって思っています。

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