・・・というなんだか、自動車修理のようなタイトルをつけてしまった今回のネタ。福島遠征のアイリス星雲を処理しているときにアイデアが浮かびました。公開すべきか若干なやみつつ、記事を書いています。その理由は最後に。
HDRMTやMasked Stretchをしたとき、銀河や輝星の中心に穴が空いてしまうことがあります。こんな感じです。
全体としてはよく効いていて採用したいけれど、小穴は許せない。これまでは泣く泣く処理をかけるのをあきらめていました。Crone Stampでペタペタとリペアするのも私の自主規制ルールである「画像は切り貼りしてはいけない」に抵触します。
そこで思いついたのが、HDRMT処理をする前の画像の穴の空いていない部分を、処理後の穴の空いた部分に流し込むことです。私の勝手な基準では「同じ場所への画像の重ね合わせはセーフ」です。
マスクの作成
最初に流し込むためのマスクを作成します。マスクにはGAMEを使いました。リペアしたい場所より少し大きめな箇所を囲うようにマスクを作ります。
中心部に画像をしっかり流し込めるようにHistogram Transformationのハイライトを左に寄せてマスクの中心部を飽和させます。
出来上がったマスクを修理したい画像に適用させます。
Pixel Mathで流し込み
PixelMathで元の画像をそのまま流し込みます。PixelMathの画面で元画像を指定するだけです。すると適用先が置き換わります。マスクがかかっているので一部だけが置き換わります。下記でL_OrgはHDRMT処理をするまえの画像です。
ほらこの通りです。
無事に修復できました!
最初のHDRMTでマスクをかければ良い
あれれ・・・この処理、よくよく意味を考えてみると、マスクの部分だけHDRMT処理を元に戻すということです。そうならば最初のHDRMT処理をするときに、その部分に保護するGAMEのマスクをかけてしまえば良いだけかもしれません。例えば私は最初の小傷を作ったHDRMTを実行する時にこんなマスクを使っています。
このマスクから傷修復用に作ったマスクを引いてみます。
PixelMathを実行します。
できあがったこのマスクかけてHDRMTを実行すると・・・。
あ、大丈夫ですね。HDRMTときの場合は、とくにPixelMathで流し込みなんてしなくても小穴ができたら保護用のマスクをつくれば良かったわけです。でも、Masked Stretchで小穴が発生したときはマスクをかけられません。もしくは、画像を流し込みたい他の用途も・・・。役に立つ場面はあるんだろうなあ、と思ってます。