ベール越しのバーナード銀河

ちょうど2年前の2022年7月頃に撮影したバーナード銀河を、新しい解釈で画像処理し直しました。タイトルは「ベール越しのバーナード銀河」です。手前にあるベールのようなガスの間から、遠くにバーナード銀河をのぞくような、幻想的な雰囲気にしました。月夜にカーテン越しに見る三日月のようにも見えます。

このガスはIFN (Integrated Flux Nebra)やシラス(Galactic Cirrus: 銀河巻雲)などと呼ばれる天体で、私たちの住む天の川銀河の周りを取り巻いているガスやチリがその実態です。距離は数万光年くらいかと思います。遠くに見える銀河はバーナード銀河と呼ばれる不規則銀河で、こちらは160万光年離れています。160万年前に出た光が、私たちを取り巻くベールを超えて地球に辿り着きました。

もともとバーナード銀河はこんな形で仕上げていました。いて座の方角ですので天の川銀河の中心方向で星がいっぱいある領域です。この星を画像処理で消して、IFNと銀河のみにすると幻想的な姿を見せてくれました。この記事にあるように2年前も星を消した画像を載せていましたが、こちらはIFNをわかりやすくするための参考情報程度でした。今回は星消しの副作用がでないように気をつけ、作品に仕上げてみました。

きっかけは天リフのこちらの投稿です。

2年前の画像を発掘くださった山口編集長に感謝です!

<撮影データ>
ベール越しのバーナード銀河

2022年7月2日 〜 8月31日 
Takahashi FSQ-106N (530mm, F5)
Paramount ME
ASI1600MM Pro
Baader LRGB, Hα Filters
Autoguide – QHY5L-IIM / Baader Vario-Finder 60mm

露出(すべて-20°C冷却, Bin1x1, Gain 0, Offset 10)
 L: 300秒x493枚
 R: 300秒x190枚
 G: 300秒x178枚
 B: 300秒x168枚
 Ha:300秒x250枚
総露光時間 106時間35分

PixInsightにて画像処理

撮影地: チリ・ウルタド渓谷リモート撮影

#observatorioelsacuce

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