二つの銀河が衝突! ケンタウルスA

NGC5128 ケンタウルスA
NGC5128 ケンタウルスA

NGC5128 ケンタウルスA(Centaurus A)です。2021年の3月下旬から5月中旬まで2ヶ月弱かけて撮影しました。ケンタウルスAは地球から1200万光年離れた比較的近い銀河。中央部に黒い塵の帯が横たわっていて、私のような天体撮影班にはその特徴的な姿から萌えどころ満載なのですが、天文学者からすると「肝心なところがみえないよ〜。チラ見せやめて〜」という感じでしょうね。でも近年、電波望遠鏡を使って塵の帯に阻まれた銀河の中心の構造もかなりわかってきたとのこと。

ちなみに「ケンタウルスA」というその変わった姿に似つかない地味な名前がついているのは、先日の記事にも書いたように最初に電波源が発見され、それが1950年代になってNGC5128銀河から発生していると判明したからです。ケンタウルスA銀河と呼ばれることもありますが、その地味な名前に敬意をはらってケンタウルスAと銀河無しで呼ぶことにします。

銀河の衝突のあと 〜 中心に横たわる黒い帯

ケンタウルスAは巨大な楕円銀河と小さな渦巻銀河の大小二つの銀河が衝突してできた銀河です。中心部にある黒い帯は哀れ小さい銀河の衝突の跡で、ガスや塵から構成されています。また大量のガスの圧縮によりスターバーストが起きており、たくさんの星が産まれている場所でもあります。古いものを破壊することで新しい星を生んだ、という教訓めいたことが頭によぎります。

横たわる黒い帯
横たわる黒い帯

黒い帯に気を取られて後ろの銀河がのっぺりしないように、処理には気を配りました。銀河の立体感は表現できたかなとちょいと悦にいっています。

銀河の衝突というと思い出されるのが、40億年後に予定されている我々の天の川銀河とアンドロメダ銀河の衝突。アンドロメダ銀河の方が天の川銀河より直径が2倍大きいので飲み込まれやしないかと、ちと心配ですが、私は対等合併であると信じております。星と星との距離は非常に遠いので星々がぶつかることはなく、日体大の集団行動のようにスカッとすれ違った後に合体するようですが、星間ガスは圧縮されるので、天の川とアンドロメダの合体でも新しい星がやはりたくさん作られると予測されています。

ケンタウルスAの萌えポイントは黒い帯だけではありません。中心部に巨大なブラックホールが存在しているのです。

ブラックホールと吹き出すジェット

銀河の中心に太陽の数億倍の大きさのブラックホールがあると言われています。ブラックホールがあると同時にできるのが、吸い込まれそうな物質がブラックホールの周辺を回った後、幸運にも抜け出せた物質が作るジェット。光速に近い速度で噴射されます。ケンタウルスAでも光速の半分近い速度でジェットが噴出されています。銀河中心部のジェットは黒い帯などに阻まれ、電波望遠鏡でなければ観測できませんが、周辺部に広がったジェットは光学望遠鏡でも観測することができます。

ケンタウルスAから吹き出すジェット
ケンタウルスAから吹き出すジェット

これは喜び勇んで先日速報したジェットの姿です。画像処理方法などはこちらをご覧ください!この写真では10万光年くらいまでガスが広がっていますが、実際には100万光年ほど広がっているそうです。

この瞬間もどばどばと、はるか遠方まで物質を放出しているんです。すごいスケール感!

<撮影データ>
NGC5128 ケンタウルスA – Photo by AstroCHL2JPN
2021年3月27日 〜 5月17日
Takahashi FSQ-106N (530mm, F5)
Takahashi EM-200
ASI1600MM Pro
Baader LRGB, Hα Filters
Autoguide – QHY5L-IIM / Baader Vario-Finder 60mm
露出(すべて-20°C冷却, Bin1x1)
 L: 600秒x198枚
 R: 600秒x68枚
 G: 600秒x68枚
 B: 600秒x69枚
 LRGB総露出時間 67時間10分
 Hα: 600秒x202枚 (33時間40分)

PixInsightにて画像処理

撮影地: チリ ウルタド渓谷(リモート撮影)

クロップ無しの写真も載せておきます!

NGC5128 ケンタウルスA(Crop無し版)
NGC5128 ケンタウルスA(Crop無し版)
タイトルとURLをコピーしました