花粉症は、自分がなってしまうまでは世の中がどんなに騒いでいようとも「自分とは関係ない世界の出来事」と感じる。花粉症に苦しむ人を尻目に「気にしないでほおっておけば治るのでは」と勝手なことも思ったりする。そして自分が花粉症にかかったとき、その事実に目をつむり「風邪気味だ」との主張を繰り返す。ようやく認めざるを得なくなったとき、絶望的な気分にさいなやまされるのである。
同じ構造は天体写真の縮麺ノイズにも当てはまる。皆がどんなに苦しんでいようとも、やはり自分とは関係ない出来事と感じ、気にもとめない。そして突如、縮麺が登場したときも「何か設定を間違えたな」とたかをくくり、やはり自分には重大事ではないと装う。そしてついに縮麺の魔の手から逃れられないことを認識したとき、大騒ぎを始める。はじめての縮麺に接したとき、まわりが妙に優しいのも、花粉症のそれと似ている。世界の人を花粉症の人とそうでない人に二分し、花粉症側にやってきた人にウエルカムなムードを醸し出すのである。
・・・というわけで、ついに出ました。縮麺ノイズ。私には一生出ないと思ってました。そもそも読み方も「ちりめん」ではなく「しゅくめん」だと思っていましたもん。
見事に出ています。
Integrationの設定を変えても、画像を減らしても、フラットを昔のうまくいったバージョンに切り替えてもダメ。やっとのことで退治した顛末です。縮麺界隈の方には既知情報と思いつつ、何かの役に立つと思い書いておきます。
画像処理勉強会で相談
どうにもならなくなって、金曜日にやっただいこもんさん、そーなのかーさん、ぐらすのすちさんとのオンライン会議で相談しました。そーなのかーさんに涙目で相談する私。
「細長いノイズでました。Integrationすると出るやつ。・・しゅくめん(小声)?」
「縮麺でましたか」
(あ、ちりめんっていうのね)
「とりあえずみせてください」
「これです」
「ああ、これは黒いスジなのでダークですね。ゲインが間違ってませんか」
「いや、設定変えてないのでダークもライトも120です。ほら・・」
・・・ってあれ、PixInsightのファイルメニューにあるFITS Headerで確認すると、ライトの半分はゲインが0になっています。正しい半分は8月に撮影したもの。10月の今回はパソコンが壊れて嫁のパソコンにソフト入れてもってきたので、設定が変わったようです。
それにしても、さすがドクターそーなのかー。0.5秒で看破されました。その後のだいこもんさんも交えた会話では、縮麺ノイズは多くの場合、ダークかフラットに原因があり、ダーク起因の場合は黒い筋、フラット起因では明るい筋がでるそうです。だいこもん曰く、
「すべての縮麺には明確な理由があって、かならず解決できるはず」
果たしてダークをゲイン0で撮り直し、ダークとライトを一致させると無事に縮麺は消えました。
とりあえずはじめての縮麺は周りのサポートで解決をみました。ほっ。ありがとうございました!