星沼会の大半のメンバー6名が、茨城県に集合しました。参加したのは、そーなのかーさん、ぐらすのすちさん、まちょさん、だいこもんさんとNiwa。また小林さんもお仕事の移動の途中に顔を出してくれました。この日の目的はなによりレナード彗星。Wikiによれば4万年かけてやってきたこの彗星。軌道が楕円軌道ではなく、太陽を回ったらそのまま宇宙の彼方へ飛んでいって、二度と戻ってこないそうです。せ、せつない。それならば、その姿をこの目に焼き付けたい。張り切って行ってきました。
成果がこれです。
飛んでます。宇宙空間をひたすら飛んでいます。
動画は90分撮影した30秒露光した134枚の写真を、パラパラ漫画風につなげました。ネットで同様のGIFアニメを拝見して真似をしてみました。時折、入ってくる人工衛星の白い線が、まるで宇宙船をねらうガミラス艦隊のレーザー攻撃に見えます。速度が速いですね。この時点で秒速5万キロくらいだそうです。
写真にもしてみました。
なぜでしょう。動画はどんどん進む感じで上向きが気に入りましたが、写真のときは下向きの方が落ち着きます。
この夜、一番感動したのは、双眼鏡でレナード彗星を見た時です。なにせ私はこの目で彗星を見たのは初めて。高校生のころハレー彗星がやってきましたが高度が低くて地平線近くでした。当時、名古屋市街に住んでいた私には、何度チャレンジしても見ることができなかったのです。ネオワイズ彗星も梅雨空に阻まれ、ようやく写真に残したので精一杯。今回は双眼鏡でその勇姿をしかと目に焼き付けました。双眼鏡を通じて私の視界に入ってきたのは、はっきりとした尾を引くレナード彗星。よくぞ遠路はるばるお越しくださいました、という感じです。レナード彗星にとっても今回が一発勝負。そのあとの人生で光り輝くことはきっとないのでしょう。見事な尾を引いて明るく輝くことができて、ほっとしている印象も持ちました。これから太陽の周りをまわる最大のイベントが控えています。その身が安全でありますように!
借り物人生・・・
ちなみに今回の機材は全部借り物です。鏡筒はZWO-CN15F4。星見屋の南口店長から「初めてでも光軸あわせができる!」ことを実証するお約束でお借りしました。もっか練習中です。もう少々お待ちください〜。もっと追い込みたいと思っています。赤道儀はあこがれのAstro-Physics社のMach1。同社の赤道儀はチリで初めて見たときからときめいていたのですが、なんとそのAstro-Physicsを知人からお借りしてしまいました。カメラとバッテリーは星沼会のぐらすのすちさんからの借り物です。なんとばちあたりな私でしょう。
組んだ姿がこちらです。豪華すぎる・・・
素敵な出会い
今回の遠征地には先客がいらっしゃいました。大型機材を並べて撮影をされています。お声をかけてみると私より年長で、撮影歴は7年。子供の頃に望遠鏡を楽しんでいたけれど、いつの間にかやらなくなり、大人になって天文に戻ってこられたそうです。私と同じパターンです。いつもはお一人で、大量の大型機材を車に載せて月一回くらいのペースで撮影されているとのこと。機材への情熱のかけかたが半端なく手作りでたくさんのパーツを作られていました。SNSはされていないそうです。「いいね」を求めずひたすら自分で楽しむために重量機材を展開する。その姿には迷いがなく、私は将来のロールモデルを見た気がして、感銘を受けました。
とっても嬉しかったのは星沼会をご存知だったこと。私のブログもご覧くださっていました。だいこもんのことも「東北の先生ですよね」とご存知の様子。「・・ということは、ぐらすのすちさんもいらっしゃるのですか?」と聞かれたので、地面に毛布をかぶって寝ているぐらすのすちを叩き起こしました。
連絡先を交換してお別れしました。次回、お会いしたときもよろしくお願いいたします。
<撮影データ>
ZWO-CN15F4 (口径15cm F4)
Ackermann 2インチコマコレクター・レデューサー×0.73
Astro-Physics Mach1
ASI2600MCPro
■進め! レナード彗星 (動画)
2021年12月5日
露出(-10°C冷却, Bin1x1, Offset 15, gain 100)
30秒 134枚を動画化
■レナード彗星の勇姿
2021年12月4日
露出(-10°C冷却, Bin1x1, Offset 15, gain 100)
彗星核基準: 30秒x134枚
恒星基準: 30秒x114枚
撮影地: 茨城県高萩市小山ダム