チリに設置したAG Optical 10″iDKの最初の作品です。機器を設置したその日に試写を開始しました。対象は撮り慣れたイータカリーナ星雲です。中央に光るのがりゅうこつ座イータ星です。試写ですので、ちょいちょいと撮影して画像処理しようと思っていたのですが、ついつい露光時間を増やしてしまって撮影に時間がかかり、やっと画像処理を終えました。
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まだ光軸調整やカメラのチルト調整(スケアリング)が必要だったり、鏡筒とカメラを接続するアダプターの径が小さくて周囲に光の遮蔽があったりしていますが、とりあえず形になってホッとしています。
アダプタによる遮蔽
この画像を撮影した時点では、M48のアダプタで光が遮蔽されてしまい、フラットもこんなのになっています。
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見事に四隅が暗くなっています。しかしこんな状態でもフラットを適用すると、きちっと補正されるから不思議なものです。イータカリーナ星雲でも、それほど問題はないかなって思います(ちなみに上のイータカリーナ星雲は構図を気にせず撮影はじめたので、結果をみて右側はクロップしています。減光がきにならないことは左側で確認ください)。
その後に友人のエドアルドが、自宅の旋盤でアダプタを削って穴を広げてくれました。
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削り終わりです。
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あとは色を塗って完成とのこと。なにかにつけてワインでお祝いする癖があります。チリのアンデスの山奥で望遠鏡の部品を削って、ワインを飲んで・・・素敵な生活です!
塗装を終えてフラットを撮影しました。
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大丈夫そうです! 少し左に寄っているのは光軸合わせの問題でしょう。近いうちに対処することにします。
FSQ-106Nの実力!
最初にしてはまずまずのAG Optical 10″iDKですが、ひとつ気がついたことがあります。それは・・・
「FAQ-106Nも全然負けてないんじゃないの?」
ということです。
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左がFSQ-106N (口径106mm、焦点距離530mm)でカメラはフォーサーズのASI1600MMです。右がAG Optical 10″iDK (口径250mm、焦点距離1674mm)でカメラはフルサイズのASI6200MM。焦点距離に3倍の差があり、左がピクセル等倍、右は1:3です。たしかにAG Optical 10″iDKの方が詳細まで写っていますが、私の目にはFSQ-106Nも負けていないように見えます。他の箇所も見てみましょう。
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やっぱりFSQ-106Nの解像感は高いです。FSQ-106Nはフローライトの鏡筒で、現行のFSQ-106EDPより一世代まえの20年くらいまえのタカハシの鏡筒です。その実力値はまだまだ高いことがわかって、これはこれで嬉しく思いました。さすがFSQ!
AG Opticalの方も、これから詰めていこうと思います。
BXTを使わないとどうか?
Twitterに情報を公開したところ、だいこもんさんから「BXTは未使用ですか?」という質問がありました。上記の画像は画像処理を最後までしており、両方ともBXTも使用しています。そこでBXT未使用での比較するためをIntegration直後のL画像で比較してみます。リニアのままでは暗いのでSTFで画面を明るくしています。FSQ-106Nがピクセル等倍です。
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う・・もはや違いはわかりません。それでは悔しいので、さらに拡大してみます。がんばれAG Optical!
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AG Opticalの方をピクセル等倍の2倍まで拡大しました。この二つはカメラのピクセルサイズは左が3.8μm、右が3.76μm。ほぼ同じです。つまり焦点距離の3倍の違いがそのまま出ているだけですね。
イータカリーナ星雲のような明るい星雲では、さほど両者に違いがでないのかもしれません。もう少し経験を積んで検証を続けます!
<撮影データ>
ファーストライト! イータカリーナ星雲
2023年3月17日 〜 4月14日
AG Optical 10″ iDK (250mm, F6.7)
Astro-Physics 1100GTO-AE
オフアキシスガイド ASI174MM Mini
ASI6200MM Pro
CHROMA LRGB, Hα Filters
露出(すべて-10°C冷却, Bin1x1, Gain 100, Offset 50)
L: 300秒x99枚
R: 300秒x72枚
G: 300秒x50枚
B: 300秒x65枚
総露光時間23時間50分
PixInsightにて画像処理
撮影地: チリ・ウルタド渓谷リモート撮影
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