小マゼラン雲です。
地球から小マゼラン雲までの距離は約20万光年。我々の住む銀河である天の川のすぐ近くにいる銀河です。海外ではSMC (Small Magellanic Cloud)と呼ばれます。ちなみにペアである大マゼラン雲はLargeなのでLMC。大マゼラン雲のほうは棒渦巻銀河の面影をみることができますが、小マゼラン雲は棒渦巻銀河だけど不規則銀河ともいわれ、もや〜っと存在しています。我々の天の川と大小マゼラン雲の3つの銀河が引っ張りあって、形が乱れているのだそうです。
大小マゼラン雲は天の南極近く、北のカシオペア座や北斗七星と似たような位置にいます(小マゼラン雲が赤緯-72度、カシオペア座や北斗七星が赤緯60度近く)。天の南極のまわりをくるくる回っていて、一年中みることができます。
2019年にチリでみたマゼラン雲は、驚きの大きさでした。「なんか雲があるなぁ、と思ったらそれがマゼラン雲だった」というお約束の会話もわかる気がします。私は現地のチリの方に「もうすぐLMC、SMCが上がってくるよ」と言われて、「LMC、SMCってなんだ?」とググってたりしてマゼラン登場のタイミングを知り、昇ってくるのを楽しみに待っていました。
これだけ星が多ければ知的生命体もきっと住んでいることでしょう。小マゼラン雲は我々の天の川の1/6くらいの質量だそうです。
「マゼラン雲でこんなに大きいのだから、マゼラン側からこっちを見たら、天の川はすごい銀河に見えるんだろうなあ」
・・・なんて想像したことを覚えています。その天の川は、大きく明るく、きっと色も見えるのでしょうね。
一緒に写っている天体の情報も載せておきます!
<撮影データ>
■青白き、小マゼラン雲
2022年10月16日 〜 11月23日
Takahashi FSQ-106N (530mm, F5)
Paramount ME
ASI1600MM Pro
Baader LRGB, Hα Filters
Autoguide – QHY5L-IIM / Baader Vario-Finder 60mm
露出(すべて-20°C冷却, Bin1x1, Gain 0, Offset 10)
2枚パネルモザイク
(左:東側)
L: 300秒x262枚
R: 300秒x75枚
G: 300秒x91枚
B: 300秒x96枚
Ha:1200秒x28枚
(右:西側)
L: 300秒x265枚
R: 300秒x105枚
G: 300秒x93枚
B: 300秒x90枚
Ha:1200秒x46枚
総露光時間114時間25分
PixInsightにて画像処理
撮影地: チリ・ウルタド渓谷リモート撮影
#observatorioelsauce
■昇ってきた小マゼラン雲と大マゼラン雲
2019年7月4日02時42分58秒~
Fujinon XF8-16mmF2.8 R LM WR (f=16mm F2.8)
Fujifilm X-T30 (ISO 5000)
LEE ソフト#3フィルター
露出30秒
Adobe Lightroomにて画像処理
撮影地: チリ・ウルタド渓谷