世界で2例目? 天の川銀河にそっくりなNGC 6744と広がるIFN

NGC 6744と広がるIFN (天文ガイド2022年3月号 一般の部入選作品)

天の南極近くにある、地球から3000万光年離れたくじゃく座NGC 6744です。チリのリモート望遠鏡で8月末から2ヶ月かけて撮影しました。この銀河は我々の天の川銀河に瓜二つ。隣に並べると合わせ鏡の様だそうです。誰か見たんかい、という声が聞こえてきそうですね。今日はクリスマス。あっち側のNGC 6744から天の川銀河を見て、おんなじことを言っている家族もいるかもしれません。

拡大するとこんな感じです。

NGC 6744の全景
NGC 6744の全景

我々の天の川銀河はこんな形をしているのですね。銀河の右上にある細長い小さな銀河はNGC 6744A。NGC 6744の伴銀河です。我々の銀河も大小マゼラン銀河という伴銀河を持っています。そんなところも似ているんです。でも6744Aとはちと雑ですね。小さいながらも主張している銀河ですので、もうちょい名前を考えてあげてもいいんじゃないでしょうか。

広がるIFN(Integrated Flux Nebula)

背景にはうっすらとIFNが広がっています。NGC6744の周りに広がっている様に見えますが、それは見かけだけで実際はもっと近く。我々の天の川銀河の外側にあります。通常の星雲は恒星の光に照らされて光っていますが、IFNは銀河全体の光に照らされています。Integrated Flux、つまり「束になってまとまった流れ」というのは星々をまとめて天の川銀河が照らしてことを指すのでしょうか。Wikiによれば比較的最近見つかった天体とのことです。天の北極、南極方向にみることができ、M81, 82の周りに広がる分子雲もIFNです。北極方向のIFNは明るくて撮影しやすい対象ですが、今回の天の南極方向のIFNは薄い薄い。下の画像は通常の画像処理によるもの。69時間露光していますが(L画像は20時間)、かろうじて「ちょっとかぶりがあるかな?」くらいにしか見えません。今回、新たな画像処理方法を思いついて表現することができました。

普通にするとIFNは見えない
普通にするとIFNは見えない

NGC 6744周辺のIFNの存在はAleixさんのサイトで知りました。ナミブ砂漠で撮影したそうです。このサイトによれば「NGC 6744のまわりの淡いIFNはアマチュアはほとんど撮影されていない」とか。実際にググってみても世にNGC 6744の作品は多かれど、IFNが写った写真は彼の撮った写真ばかり。「おっ?これって、もしかして私の作品が世界で2例目か?」と、ちょっとウキウキしています。

AleixさんのTwitterを見つけたので感謝と共に私の作品をおくったところ、返信をいただきました!こんな形で、凄腕の方と コミュニケーションできるのは嬉しいかぎりです。

今回の画像処理方法は後ほどブログでまとめますね。実はこの方法、クリスマスの夜に夢の中で思いつきました。嘘の様な本当の話です。やるな、サンタクロース!

<撮影データ>
NGC 6744と広がるIFN – Photo by AstroCHL2JPN
2021年8月29日 〜 10月23日
Takahashi FSQ-106N (530mm, F5)
Takahashi EM-200
ASI1600MM Pro
Baader LRGB, Hα Filters
Autoguide – QHY5L-IIM / Baader Vario-Finder 60mm
露出(すべて-20°C冷却, Bin1x1)
 L: 300秒x238枚
 R: 300秒x73枚
 G: 300秒x92枚
 B: 300秒x88枚
 LRGB合計露出時間 40時間55分
 Hα: 1200秒x85枚 (28時間20分)
総露出時間 69時間15分

PixInsightにて画像処理

撮影地: チリ ウルタド渓谷(リモート撮影)

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