フェイスオン! M101 回転花火銀河 〜 星空の写真

M101 回転花火銀河 (天文ガイド2020年10月号ビギナーの部に掲載されました)

春の銀河祭り第三弾は、回転花火銀河です。英語ではPinwheel Galaxy(風車銀河)。フェイスオン銀河と言ってこっちに正面を向けてくれています。ぐるぐる巻きはまさに回転花火!・・・って回転花火ってなんでしたっけ?ぐぐってみたところ、紐がついていて回る手持ちの花火でした。あれです。

左下には小さな銀河も写っています。NGC5474です。

ところで銀河の渦巻きは、物理の計算結果ではこうはならないそうです。渦の中央に近い方が速度が速くなるので、渦が潰れてしまうのです。「巻き込みのジレンマ」と言われ天文学の謎の一つとされていました。これに対して密度波理論が提唱されました。星が動いて渦を作っているのではなくて、渋滞の車のように車は渋滞の中でも出入りしているけど渋滞の形は残るように、星は入れ替わっているけれど銀河全体では渦の形を保っているというもの。しかし密度波理論だけでも銀河の形は説明できないそうで、いまも研究が続けられています。

精度の高いポータブル赤道儀のSWATですがノータッチガイドで650mmの望遠鏡の撮影なのと、極軸あわせがちと心許ないので、60秒の写真をたくさんコンポジットする作戦にしました。うまくいったように思います。一枚の撮って出しはこちらです。

撮って出しの画像

この60秒露出の写真を79枚撮影して合成しました。実は2時間近くの114枚撮影しましたが、綺麗に写ったのはそのうち70%程度でした。加算平均の合成なのに長い時間露出した様になるのは不思議ですね。機会を見て勉強してみようと思います。今日はとりあえずうまくいくということだけ理解しました。

<撮影データ>
天文ガイド2020年10月号 ビギナーの部掲載作品
2020年4月25日23時54分〜
Vixen R130Sf (650mm, F5)
Fujifilm X-T30
露出 60秒x79枚コンポジット (総露出1時間19分)
ISO3200
Unitec SWAT-310-Vspecでノータッチ追尾
PixInsight, Adobe Lightroomにて画像処理
トリミングあり

撮影地: 千葉県大多喜町

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