2024年の第一号は、とっても不思議な形をした二重のリング銀河NGC 1291(NGC 1269という別名もあります)です。地球から3,300万光年離れています。中心部を拡大して見てましょう。
不思議な外側と内側の二重構造があります。外側のアウターリングはほんのり青く、比較的若い星の集まりであることがわかります。内側は典型的な棒渦巻銀河です。S字が横に向き縦に棒が走っているのがわかるでしょうか。またブログを書いていて気がついたのですが、面白いことに外側の青いリングもちゃんと2本の腕を持つ渦巻銀河のように見えます。渦巻銀河は、棒渦巻も普通の渦巻も基本は2本の腕です。
こういった二重構造を持つリング銀河は、専門書によれば「円盤銀河の中心付近を他の銀河がほぼ垂直に突き抜けた場合に形成される(シリーズ現代の天文学 銀河I P256)」そうです。でも他の理論を唱えている学者もいらっしゃるそうで、まだ決着はついていないようです。このような複雑な形状の銀河を研究することで、銀河の形成理論に役立つそうです。
さらにおどろいたことにネットで調べたところ、内側の渦巻銀河の中央の膨らみ部分にさらに棒渦巻銀河があるようです。棒渦巻銀河が二重になっているとのことでした。確かに中央にもう一つ棒渦巻銀河のようなものが見えます。
そうすると外からリング、棒渦巻、棒渦巻の3重構造ということですね!
周辺の銀河も調べて見ました。
今回の画像で一番遠いのは、15億7000万光年ですね。でもそういうのなんだか慣れて来ました 笑。
<撮影データ>
2023年11月2日 〜 12月5日
AG Optiral 10″ iDK (250mm, F6.7)
Astro-Physics 1100GTO-AE
オフアキシスガイド ASI174MM Mini
ASI6200MM Pro
CHROMA LRGB, Hα Filters
露出(すべて-10°C冷却, Bin1x1, Gain 100, Offset 50)
L: 300秒x415枚
R: 300秒x113枚
G: 300秒x113枚
B: 300秒x127枚
総露光時間 64時間0分
PixInsightにて画像処理
撮影地: チリ・ウルタド渓谷リモート撮影
#observatorioelsauce