天体写真の画像処理はたのしい!
新しい機材を買わなくても、画像処理をちょっと工夫するだけで天体写真のクオリティは驚くほどあがります。苦労して撮影した画像のもつポテンシャルを開花させ、自分のイメージする写真に近づけていくのは、機材を愛でたり、遠征を楽しんだりすることに匹敵する楽しさだと私は感じています。実際、画像処理がおっくうだという方にちょっとした基本をお教えするだけで「思っていたより断然楽しい」というコメントを聞いたことも何度もあります。
そんな画像処理で世界的にもっとも使われているソフトがPixInsight。天体写真に特化した機能が充実しており、日々その機能は強化されています。なによりも私が良いと思うのは、定石の手順で画像処理すれば、人によらず高いクオリティの作品を産むことができることです。PixInsightの勉強会を開催したときも「私にはできません」ということはまずなく、皆さんが自分の撮影した写真を仕上げていかれます。
こんな良いことづくめのPixInsightですが、英語版しかない! 情報も英語ばかり!操作方法がややこしい! 機能が多すぎ! と初めて使う方にハードルが高いのも事実です。
そこで・・・ PixInsightの使い方 [基本編]を出版しました!
まったく初めて画像処理にチャレンジする方や、これまで他のツールを使用してきてPixInsightに乗り換えてみたいという方向けに書きました。この本の通りにやれば、PixInsightを使って高いクオリティの天体写真を仕上げることができます。
2022年8月8日発売。PixInsight解説本としては、日本では初めて、世界でも3冊め(著者調べ)の書籍です!
(本書の特徴1) 基本機能を厳選
星の数ほどあるPixInsightの機能から、画像処理に必要な基本機能を厳選しました。基本機能といっても強力な機能ばかりなので、高いレベルの天体写真を仕上げることができます。また本格的な画像処理フローを採用していますので、このフローを基本として、新たな処理を追加することができます。
(本書の特徴2) 原理の解説に力点
処理手順に加えて、背景にある理論にも力を入れました。原理を知らなくてもある程度の処理はできてしまいます。それもPixInsightの良いところです。しかし何か問題があったときや、より高度な処理をしたいときに、原理を知っておくことが地力になり、いろいろ試すことができるようになります。
(本書の特徴3) 豊富な図版
動画と異なり書籍は自分の読みたいところを簡単に参照できる、というメリットはありますが、細かい操作がわかりにくいというデメリットもあります。本書は、読者の方がPixInsightを操作しながら迷わずに読んでいけるように、図表を多めにしました。
(本書の特徴4) 正確な内容
本文の執筆にかかった時間よりも、もっと多くの時間を内容校閲と校正に費しました。5月中旬には本文を書き終えていたので、本当は5月末に発行しようと目論んでおりましたが、結局3ヶ月弱の期間を内容の確認にあてました(お待たせしてすみません)。星沼会をはじめとした天文仲間がレビューに付き合ってくれ、記載内容をチェックしました。またビギナーの方でも「本書の手順で処理ができるか」について実際に試してみて、画像処理の過程でつまづきそうな点を改善しています。
(本書の特徴5) ブログによるサポート
本書とこのブログは連動しています。「PixInsightの使い方 [基本編]」を読んでいて疑問に感じたことは、「たのしい天体観測」の質問コーナーに投稿いただくことで解決。読者の皆さんと著者が直接コミュニケーションできる新しいスタイルの書籍を目指しています。
電子書籍は1,200円(税込)、ペーパーバックは2,420円でAmazonで発売中です!!
またスターベース東京さんでも取り扱いいただけることになりました。ぜひスターベース東京のサイトからもご購入ください。店頭販売が再開したらお店でもご覧いただくこともできます!