天体写真を志す者にとっての聖地巡礼。さそり座のアンタレス。実は私は日本でこれまでアンタレス付近を撮ったことがありません。日本には梅雨がありますので、撮影するチャンスは5月です。しかし、さそり座は夏の星座のイメージがあるので、ぼ〜としていたら季節を逃してしまった、ということが毎年のように続いていました。
「今年こそは!」と気合をいれて迎えた5月の新月。使用した機材は発売初日の2月に購入したサイトロンの新型鏡筒です。サイトロンでの画像処理セミナーの素材にしようとも考えてたので、万全を期して準備していました。
撮影日当日の朝、自宅から近いところでの撮影を予定していたものの、どうも関東近辺は天気が悪いようです。そこで一念発起して、星沼会のM&Mさんの心の故郷である福島県の浄土平まで遠征しました。その距離は往復740km。往復10時間のドライブで私には最長不倒記録となりました。
結果がこちら。左下のオレンジ色の星がアンタレスです。

画処理をしたてのアンタレスを「さそり座の女」である妻に見せてみると、その第一声は・・・
「なんて禍々(まがまが)しい」
さそり座といえば、勇者オリオンを刺し殺した夜空の恐ろしい存在です。夏に低空に横たわる姿は、畏怖を感じさせます。私が初めてさそり座を見たのは、高校の部活の夏旅行の海辺でした。その堂々とした姿と折れ曲がった尻尾に「格好いい!」と思いつつ畏怖すら感じたのを覚えています。観望会でもさそり座を見たことがない人に紹介すると、毎回のように歓声がおきます。
赤く光アンタレスはさそりの心臓。ポップにしないようにちょっと暗めに仕上げてみました。写真の色は明るいとパステル調になり、暗いと色が濃くなります。
いかがでしょうか?不穏な感じが伝わってくるでしょうか?
<撮影データ>
禍々しい、さそりの心臓アンタレス
2026年5月16日 22:05:08 〜 5月17日 3:08:19
SJH-75UF (口径75mm F5)
ZWO ASIAIR
ZWO AM5
ASI290MMMini / ZWO 30F4 ミニスコープ ASIAIRでガイド
ASI6200MC Pro
露出(-10°C冷却, Bin1x1, Offset 50, gain 100)
180秒 x 73枚
露光時間 3時間26分
PixInsightにて画像処理
撮影地: 撮影地: 福島県福島市 浄土平
