
こりゃ、格好いい。
これまで撮影してきた「格好いい天体写真ランキング」トップクラスに入ること間違いなしです。その名も「宇宙コウモリ星雲 (The Cosmic Bat Nebula)」。ちょっと曇りがかった星空をバックに翼を広げています。
翼を広げて飛ぶ勇姿はまさにこうもり。こっちに向かってまっすぐ飛んでくるのが素敵です。顔もりりしい。このお顔、最初はアメコミのバットマンに見えていました。いまはコウモリにみえます。

宇宙コウモリ星雲のある場所はさそり座のアンタレスのちょっと北あたり。へびつかい座にあります。サソリにヘビにコウモリと、ちょっと禍々しい領域です。地球からは1,400光年離れていますので西暦600年頃に放たれた光です。聖徳太子が活躍した飛鳥時代の光ですね。天文ファン的には1400年は「割と最近だな」って感じます。ちなみに、下の方の明るいオレンジ色の星の左にある小さな銀河 (PGC 3868080)は、3.8億光年離れています。まだ地球では5大陸に分かれておらず、1つの大きな大陸があったころです。

黒い翼の正体は暗黒星雲
宇宙コウモリ星雲の黒い部分の正体は「暗黒星雲 (Dark Nebula)」です。そう説明すると、ダークマター(暗黒物質)と間違われることが多いですが別物です。ダークマターは宇宙に30%弱あまねく存在するといわれる光を通さない正体不明の物質で、これまで観測されたことのないまだ理論上の存在です。一方、暗黒星雲はガスやチリの集まりで、密度が高いので光を通さないのです。星がたくさん生まれる宇宙のゆりかごでもあります。有名な暗黒星雲のひとつに馬の頭の形をしたオリオン座の馬頭星雲があります。
馬の頭といえば、最近はおおなめくじなど生き物に似た写真が続いています。過去には白鳥、猿、蝶々も撮影したこともあります。青空を見ていて「あの雲は魚にそっくり」というのと同じで、天体を生き物に例えるのは多く、他にも、まだたくさんあります。楽しいのでこれからも撮っていこうと思います!
<撮影データ>
格好いい! 宇宙コウモリ星雲 LDN 43
2025年6月1日 〜 2025年7月3日
AG Optical 10″ iDK (250mm, F6.7)
Astro-Physics 1100GTO-AE
オフアキシスガイド ASI174MM Mini
ASI6200MM Pro
CHROMA LRGB, Hα Filters
■カラー画像
露出(すべて-10°C冷却, Bin1x1, Gain 100, Offset 50)
L: 300秒x283枚
R: 300秒x90枚
G: 300秒x98枚
B: 300秒x93枚
総露光時間 47時間0分
PixInsightにて画像処理
撮影地: チリ・ウルタド渓谷リモート撮影
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