恒星ストリームと薔薇の花 〜 棒渦巻銀河NGC1097

秋から撮影していた棒渦巻銀河NGC1097の画像処理がやっと終わりました。こちらです!

NGC 1097

典型的な棒渦巻銀河ですが、2本の腕がちょっとだらしなくほどけていて、なかなか良い感じです。この銀河は地球からは4,500万光年離れた数千億の星の集まりです。

注目してほしいのは、恒星ストリームという星の流れです。画像処理が大変でした(自慢)。

これは銀河から流れ出ている星々の流れです。線にみえますが無数の星の集まりなのですね。右側のストリームはdog-legと呼ばれる折れ曲がった構造をしています。最初はなにかミスをしたのかなと思いましたが、こちらの論文をみると正しい構造のようです。この論文によると、星の流れは左下の伴銀河(NGC1097A)との潮汐作用によるものという説と、昔存在していてNGC 1097に侵食されてしまった不規則銀河の名残、という説があるそうです。潮汐作用とは地球と月の相互作用で潮の満ち引きがあるあれです。そのため恒星ストリームをtidal stream(潮汐ストリーム)とも呼びます。

恒星ストリームは下に出ている2本の他に、上の方にも2本伸びています。上の2本は画像を強調処理すると見えてきました。

4本の恒星ストリームが伸びている

また中心部は、薔薇の花のような形をしています。これは星々が生まれているところで、星形成領域と呼びます。

広い範囲の画像も載せておきます!

撮影をしていて楽しい銀河でした!

<撮影データ>
恒星ストリームと薔薇の花 〜 NGC 1097
2024年10月25日 〜 2024年11月13日
AG Optiral 10″ iDK (250mm, F6.7)
Astro-Physics 1100GTO-AE
オフアキシスガイド ASI174MM Mini
ASI6200MM Pro
CHROMA LRGB, Hα Filters

露出(すべて-10°C冷却, Bin1x1, Gain 100, Offset 50)
 L: 300秒x379枚
 R: 300秒x126枚
 G: 300秒x144枚
 B: 300秒x136枚
 Hα: 600秒x134枚
LRGB露光時間 61時間25分
総露光時間 87時間45分

PixInsightにて画像処理

撮影地: チリ・ウルタド渓谷リモート撮影

#observatorioelsauce

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