<続> 反省多し! アンドロメダ銀河の画像処理手順 – PixInsight

再処理後のアンドロメダ銀河
再処理後のアンドロメダ銀河

先日、嬉しそうに処理フローを載せましたが、いっぱい間違いがありました・・・反省をこめて続編です。

そもそもは、PCCでカラーバランスが崩れるのに困った私が、PixInsightのFacebookのフォーラムで質問したところ、とても親切な方がメッセージでいろいろ教えてくれたことからスタートしています。ちなみに彼のサイトは綺麗な写真や情報がいっぱいです)。曰く「PCCのパラメータ以前にフラットフィールドに問題がある」とのこと。背景に放射状にグラデーションがでていると指摘を受けました。普段、東京・横浜の光が眩しいところで撮影している私ですから、今回の暗い天狗高原での撮影した画像は、私には問題なく一様な背景に見えました。

しかし、ぱっと見は良さそうですが・・・

ぱっと見よさそうだけど・・

Boosted STFをすると・・・

STFのBoostをすると

確かに背景がムラがあります。

Boostするとムラが

周辺減光っぽいのでFlatがうまく作れなかったかもしれません。Flatは撮影技術の問題なので今後上手に作れるよう練習するとして、いますぐ改善できる失敗は、大きく2つです(他にも出てきそうですが、とりあえず大きくは2つ)。

  1. Dark Flatを作らなかった
  2. DBE/ABEをスキップした

順に説明します。

Dark Flatを作らなかった

マスター処理について聞かれたので・・・

「Bias, Dark, Flatを今回は時間をかけてちゃんと作りました。Flat用のDarkはOptimize dark flamesを使ってDarkと兼用しました」
「Oh.. Please… no optimize!」
「なんと・・・」

本来Darkは、Light用とFlat用に別々に用意しなければいけません。つまりLightの露出時間とFlatの露出時間にあわせて別々のDarkを作ります。Optimize dark flamesというオプションは、Light用のDarkを調整してFlat用に利用できる優れもの・・・と思っていましたが、Optimzeオプションを使うと悲惨なことになるそうです。

悪名高きOptimize。BPPにもWBPPにもあります

PixInsightのドキュメントにはOptimizeをどんどん使ってくれ、とありましたが使ってはいけないとは・・・。実際にググってみるとOptimize dark flamesオプションを使ったことで画像が悪化した事例が出ていました。Dark flatの必要性には議論があると思いますが、少なくともOptimize dark flamesオプションを使わない方が賢明のようです。

Darkと違って、Dark flatは一枚を数秒で撮影できるので現地でも手間ではありません。後悔先に立たず。しかたがないから次善の策として、当日の夜の気温は冷蔵庫の野菜室くらいだったと思い、カメラを野菜室で30分冷やしてDark flatを作りました。

もう一つのミスは・・・

DBE/ABEをスキップした

今回はDBE, ABEをかけると画像が悪化したのでスキップしました。でも背景にグラデーションがあるのでそれはいけないとのこと。あらめてスタックした画像をDBE, ABEの実行をしてみました。ABEはうまくいきませんでしたが、DBEは比較的うまくいきました。野菜室Dark flatの効果があったのでしょうか?いまのところ不明です。

この後の手順は前回と同じですが、今回の方が背景がフラットな分だけ処理は楽でした。とくに前回はCurvesTransformationでトーンカーブを散々いじりましたが、今回はほとんど処理せずSaturationを少しあげただけです。処理した結果が冒頭の画像です。前回の画像にくらべ銀河の周りの淡い光の部分がとくに改善しているように思います。またトーンカーブをほとんどいじらなかったので、こちらの方が自然な発色と思います。

う〜ん、冷や汗。まだ先は長いです・・・PixInsight!

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