「速いレンズ」ってご存知ですか?私は知りませんでした。もしかしたら常識的なことかもしれないのですが、まあ書いちゃいます。
望遠鏡につけるフィルターサイズを検討していて、SNSのフォーラムに投稿したところ、ギリシアの方からアドバイスがありました。
「君のレンズは速いから(fast lens)、フィルターは大きい方が良いよ」
「へっ? 速いレンズってなんすか?」
「焦点距離をレンズ口径で割ったものをF値というんだよ。F値が小さいレンズは速いレンズというわけさ」
お〜。明るいレンズをのことをfast lensというのか。さっそくWikiでf-numberをみてみるとlens speedという概念があります。lens speedをクリックすると次のように記載されていました。
A lens with a larger maximum aperture (that is, a smaller minimum f-number) is called a “fast lens” because it can achieve the same exposure with a faster shutter speed.
開放F値の大きなレンズ、つまりF値の小さなレンズは「速いレンズ(fast lens)」と呼ばれる。同じ露出でより速いシャッタースピードとなるため。
https://en.wikipedia.org/wiki/Lens_speedより筆者が翻訳
なるほど。シャッタースピードから来ているのですね。明るさ(brightness)もあとで言及されていますが、speedが先に記載されていました。またF値を大きくすることをストッピングダウン(stopping down)というそうです。レンズを明るさという特質ではなくて、スピードという機能で捉えるのは、西洋的なのかもしれないですね。調べたところ、日本でもF値が小さいレンズは「ハイスピードレンズ」と呼ばれますが、fastはもうすこし一般的に「明るい」を表現するのに使っていそうです。WikiではF値が2より小さい場合はfastと呼ばれることが多く、2.8より大きくなるとだんだんslowになると記載があります。
「日本では明るいレンズ(bright)って言っているよ」
「ギリシャでも明るいレンズって言い方だね。速い(fast)は英語の慣用語なんだろうね」
・・・でもですよ。少しでも長い時間露出したくて、我々は日々鍛錬を重ね、機材に高い投資もしているわけです。それを速いって言われちゃうと、モヤっと・・。私なんて「今回こそ90秒露出しよう!」と決意して家を出るも現地についたら「失敗したらどうしよう」って思い、毎回ついつい60秒に。V-Specを名乗るSWAT赤道儀にいつも顔向けできないのです。すみません、これは関係ないです。
ちなみに最初のフィルターサイズの質問にはこんなサイトを教えてもらいました。レンズ、カメラセンサー、フィルターからセンサーまでの距離をいれると推奨フィルターサイズが出てくる便利サイトです。