オリオン座のまわりには本当に変わった星雲が多くあります。オリオン大星雲やランニングマン。先週に公開した魔女の横顔星雲。今回のNGC 2170とNGC 2183もオリオン座の近く、オリオン座をはさんで魔女の横顔星雲の反対側にいます。いっかくじゅう座というちょっとマイナーな星座のあしもと付近です。そういえば、いっかくじゅう座をそれと認識してみたことはありませんでした。今度みてみよう。
私が小学生のときにプラネタリウムで聞いた記憶では、オリオンはさそりに刺されて命を落としました。そのため、さそりから逃げ回っていて、さそり座とオリオン座は同じ空にはいないそうです。唯一ふたつの星座が一緒の空にいるのは白夜と極夜のある南極地方だけのようです。さそり座はとてもカラフルな心臓をもっていますのでオリオン座もそれに対抗しようとしたか、もしくは今度は刺されないように周りにいろんなやつらを配置してめくらましにしようとしたか、そんなところでしょう。
この写真には蝶々が2頭写っています(蝶々は2匹でも、2羽でもなく、2頭と数えるんですよ)。1頭目はこちら。これはすぐわかりますね。
NGC 2170とよぶアゲハチョウです。2頭目はその後ろをひらひらとついてきています。
NGC 2185。モンシロチョウです。
最初にこの写真をみたときはメルヘンな印象をもちました。妖精が住む街にあかりが灯り、蝶々がひらひらと行き交うイメージ。以前に北海道旅行で行った富良野プリンスのニングルテラスがそんな感じでした。でもいまあらためてみると「魔物が住まう夜の銀座に妖艶な蝶が舞う」そんな風にも見えてきました。海外ではAngel Nebula (天使の星雲)と呼ばれています。
実はこの写真、上下をひっくり返すと印象がとても変わります。
親子の蝶々がとことこ飛んでいる可愛らしい感じに見えますw
これらの写真、みなさんの目にはどう映りますか?
<撮影データ>
夜に舞う二頭の蝶。NGC 2170とNGC 2185
2022年12月25日 〜 2023年1月27日
Takahashi FSQ-106N (530mm, F5)
Paramount ME
ASI1600MM Pro
Baader LRGB, Hα Filters
Autoguide – QHY5L-IIM / Baader Vario-Finder 60mm
露出(すべて-20°C冷却, Bin1x1, Gain 0, Offset 10)
L: 300秒x316枚
R: 300秒x107枚
G: 300秒x109枚
B: 300秒x106枚
総露光時間53時間10分
PixInsightにて画像処理
撮影地: チリ・ウルタド渓谷リモート撮影
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